「だから、責任はわたしがとります」
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たものの、プレミアの決意をもった目は変わらない。元々、誰に似たのか変なところで頑固な相手ではあったものの。
「そもそもこうなったのは、恐らくわたしが力を使ったからです。つまり、わたしが『わがまま』で拗ねて家出したからです」
「……だから?」
「だから、責任はわたしがとります」
ショウキたちまで巻き込まれる必要はありません――と続けるプレミアに対して、俺たちは別に死んでもいいんだ、という言葉をショウキは口の中に押し留めた。しっかりと目をあわせて頼んでくるプレミアから目をそらさずに、少女が何をしようとしているのか問い詰めた。
「責任をとるって……死ぬ気か?」
「違います。絶対に死にません。わたしは、リズたちにも謝らなくてはいけません」
「なら……やってみてくれ」
「ショウキさん!?」
てっきり止めてくれるだろうと思っていたのか、プレミアの申し出を受け入れたショウキへとユイから驚愕の声が届く。ショウキはプレミアやユイから目を背けながら、震える声でさらに言葉を続けていく。
「プレミアが責任をもってやるって言うなら、俺に止める権利なんてない……プレミアだって、一人の『人間』なんだ」
「……ありがとうございます、ショウキ」
「ただ……ユイとガーネットは連れていってくれ」
どうせ今からでは、飛翔するプレイヤーたちから逃げおおせられるはずもない。ならばプレミア本人に賭けるしかないのだと、ショウキは自らに言い聞かせるように呟いた。ユイとガーネットには勝手に言ってしまったが、二人の友達は言わずとも着いていくつもりだったらしく、力強く頷いてくれる。
「はい。では……行ってきます、ショウキ」
そうして二人の友達を連れ添いながら、プレミアは洞穴の外へと出ていって。今からでもプレミアを無理やり捕まえて、勝ち目のない逃避行に連れていきたい衝動に駆られるが、それを口を開かぬことで必死に留めつつ、ショウキは後ろ姿で少女たちを見送った。
『……来るぞ』
「なに?」
そうして一瞬の静寂が訪れた洞穴の中で、重苦しいギルバートの言葉と活性化して光輝く《聖大樹》の姿があった。その光はショウキたちがここまで逃げてきたものと同じ、転移の光であり、今はこの《聖大樹》を転移に用いることが出来る陣営は一つしかない。
「久方ぶりだな。人族の戦士……ショウキ、だったか」
すなわち、フォールン・エルフ。久方ぶり、という言葉に強く皮肉を込めた《剥伐のカイサラ》を先頭に、彼ら彼女らもまたこの場に転移してきていた。
「ガーネットは少し離れていてください」
「あ、ああ……」
洞穴の外に出ていったプレミアたちは、遠目にプレイヤーたちの大群を見た。一つのパーティという訳ではな
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