「だから、責任はわたしがとります」
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ショウキのウィンドウにメッセージが届く。
「どうしました?」
「いや、アルゴからメッセージだ」
メッセージの送り主はアルゴ。恐らくは先のフォールン・エルフ戦でプレイヤーたちの乱入にあって、この事態を把握しただろうが、今はどうなっているのか。そんな状況把握のメッセージかと思えば、まったく予想外かつ端的に要件だけを書いたものだった。
『キー坊に考えアリ、はじまりの町へ行ケ』
「アルゴはなんと?」
「はじまりの町に行け、だそうだ」
……考えあり、というならば、もちろんプレミアのことだろう。一体どういうことなのか返信したくなる衝動に駆られるが、このアルゴらしからぬ短文を見れば向こうにも余裕はないだろう。キリトたちを信じて第1層のはじまりの町に向かうしかないが、ここは第3層、どうにかしてプレミアを転移門まで連れていく必要がある。
『……誰か来るぞ。一人だ』
「っ……プレミア、下がっててくれ」
考えを打ち切るようにギルバートの声が響く。プレミアを下がらせつつも、一人だけというところに違和感を感じて、ギルバートに手を出さないように合図して。ショウキ自身はいつでも攻撃できるように準備すると、一人の女性サラマンダーが洞穴の中に入ってきていた。
「プレミアさん! プレミアさーん!」
「ガーネットです」
「ストップですショウキさん!」
見知らぬプレイヤーだと攻撃を開始しようとした一瞬、ユイの声にショウキは動きと緊張状態を止める。話にしか聞いていなかったが、プレミアの友達とかいう初心者サラマンダーであるガーネットは、プレミアを見つけるなり慌てて降りてきた。
「っプレミアさん! どうしたんだよコレ!」
「はい、とても困っています。ところで前に話した、ショウキとギルバートです」
「あ、どうも……じゃなくて! たくさんのプレイヤーがそこまで迫ってるんだよ!」
あちらもプレミアから話だけは聞いていたようで、深々と初対面二人にガーネットは礼をする……ものの、どうやらそれどころではないらしい。たくさんというのがどれだけか知らないが、ギルバートの力を借りられるとはいえショウキだけで相手できる訳もない。
「ありがとう、ガーネット。さっさと逃げ――」
「逃げません」
しかして何より計算外だったのは、さっさと逃げようと促すショウキに対して、プレミアが決意を込めて却下したことだった。
「な、なに言ってんだよ! さっさと逃げないと、プレミアさんが死んじゃうじゃん!」
「いいえ、わたしは逃げません」
「……理由を、聞かせてもらっていいですか?」
まさか断られるとは思っていなかったショウキが固まっている間に、ガーネットとユイが代わりに問いかけてくれ
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