第3話 嵐龍、現る
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通りなら既に到着して、これまた怪しまれない様に待機組を数名残して他は散り散りばらばらで別れてこちらに向かっている筈だ」
「・・・例の異常化した古龍の討伐は?」
「本部が“天元の花”に依頼した。まず間違いないだろう」
「確かにそれならば安心じゃ。予定通りお前さんが陽動役と言う訳じゃな?」
「ああ。それにいざという時の保険も兼ねて“トラップマスター”にも依頼した様だ。多分だがもう来て準備に取り掛かっているか、完了しているかもしれない」
聞いて満足そうにうなずく伊ケ崎老人。
「文字通り用意周到じゃな、なるほどのぉ」
「古い因習を建前に跋扈して来た外道たちの捕縛と言う名の大捕物だからな当然・・・」
そこへ、滅多にこの教会に近づかない筈のエニノゼカ村の村長を筆頭に、ガタイの良さそうな村人が何人も押し寄せて来た。
「これはこれは珍しい客人じゃの。何の用かの?地獄谷」
「――――お前にもハンターにも用は無い。用があるのは建物内に居る一之瀬渚じゃ」
「彼女に何ようかの?今は家族団らん中の筈じゃ。そんな剣呑な雰囲気携えたまま入る奴なぞ野暮もいい所じゃ」
それに対してフンと鼻を鳴らす村長の地獄谷。
「痴れた事。一之瀬帆波は今年の大事な巫女じゃ。それをしかと監督できない者に懲罰を与えに行くだけの事じゃ・・・!」
だからそこをどけと、言外に睨み付ける地獄谷の視界を遮る様に割って入るハンター。
「よそ者が何用か?」
「村には村のやり方があるんだろうが、現代のこの国の法律はそれを認めていない。やるにしても公僕の仕事だ。それを公僕でもない人間がやるのは基本的に暴行罪に当たるが?」
「っ!よそ者風情が生意気な!この国が認めまいが、この村の掟はなにを置いても絶対じゃ!にも拘らず邪魔をすると言うのなら――――」
自身の持つ杖を振り上げようとした所で、村人が1人大慌てで大声を張り上げながらやって来た。
『た、大変だーーー!次期でもないのに天神さまがお越しになられたーーーー!!』
「な、なんじゃと!?」
これには村長だけではなく他の村人も勿論、ハンターに伊ケ崎老人も驚いていた。
−Interlude−
――――冬の雪山にて散々たる猛雪。人の知恵は無論の事、何者も犯せぬ白票の聖域なり。
――――されど揺蕩う影あらば、其は蒼天と同義なりし宙かける厄災なりき。
体に無数の白銀の羽衣を纏い、まるで海を泳ぐ海竜の如く優雅に宙をかける古龍。
“天神”や“天空を操りし者”と古くから謳われていた伝説の存在、アマツマガツチ。
彼の存在が体中に無数の傷跡をつけた上で、竜眼は通常どころか怒りの頂点の状態でも有りえないほどに血走り
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