第3話 嵐龍、現る
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!もう歩けるの!?」
「ええ、それも全部ハンターさんのおかげでね」
「え?神父様が治してくださったんじゃ無くて・・・?」
「それは私から説明しましょう」
そこへ未だ素顔が見えないままのハンターさんを連れた神父様が来た。
「実は言うと、帆波さんがいなくなった後に暫くして、一之瀬さんの体調が急変しまして予断を許さないほどだったのです。それこそハンターさんと帆波さん手に入れてくれた素材を元に解毒薬を作っていては間に合わないほどに」
「えっ!」
「ですがそこは不幸中の幸い。此処に居るハンター殿は、ここ最近で都市伝説的に実しやかとして騒がれていた“病魔殺し”だったんですよ。どれほど重症であろうがいとも容易く治せてしまう方なのです」
神父様の説明に頭が状況を何とか理解させていく。
「ハンターさん・・・。お母さんのことといい私の事といい、ありがとうございます・・・!」
「特に大したことはしてない。出来る事をしたまでだからな。それより、今は君のお母さんと話し合った方がいいんじゃないか?」
ハンターさんの言葉にハッとしてお母さんへと顔を向ける。
見ればとても悲しそうな顔を向けてきているのが判った。
叱られる。だけど仕方ない。私はみんなの制止を振り切って、あんな愚行に走ったんだから。しかもハンターさんがいなかったら確実に死んでいのだから。
だけど私の予想に反してお母さんは優しく抱きしめてきた。
「お、お母さん?」
「ホントはここで頬の一発でも引っぱたいて説教しなければいけない所だけど、元々の原因は甘凪含めた2人の気持ちを蔑ろにして死のうとした私が悪いのだものね。ゴメンね」
「っ!そ、そんなことない!私が、私も悪いことしたんだから・・・!」
「お母さん・・・お姉ちゃん・・・っ!」
遂には横で聞いているだけだった甘凪も2人に抱き付いて泣き出した。
それを温かく見守っている外野のハンターと神父。
そこへ、入り口の扉を少し開けて静かにハンターだけを手招きしている1人の老人がいる事に気付く。
その対応に色々と察したハンターは、神父に断りを入れてから部屋を後にした。
−Interlude−
「――――で?」
これは協会の建物の入り口前に出てから老人――――エニノゼカ村のハンターギルド支部の受付兼雑務を1人熟し続けて来た、伊ケ崎七参郎に対してのハンターの最初に口にした言葉だ。
「今までの連絡通り少しづつ進めて来たからのぉ。準備は出来ておるぞ。寧ろそっちの方は如何なんじゃ?お前さん1人しか見当たらんようじゃが?」
「念のため、怪しまれない様にとまずは俺1人だけ来ている。他はン・ゼンア村着の飛行船から団体様ご案内。予定
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