第3話 嵐龍、現る
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つければ当然岩や石などの欠片がいくらかはハンターたちを襲う。
実際ハンターは帆波を守る様な大勢だ。
「鍛えてるんで然程な。それより君も腕痛くないか?」
「は、はははいぃいいい!腕にも結構当たってるんですけどぉおお、全然痛くないですゥウウ!」
当然と言えば当然である。何故ならそれの材料の元となっているのは崩竜で有名なウカムルバスなのだから。
しかし事態は急変する。
落下速度を落とす為に切り裂いていた山肌の一部が歪に脆くなっていた場所に罅が繋がって行き、その一部は破損して大岩となって落ちて行く。
ハンターたち目掛けて。彼らよりも遥かに大きい岩石が。
「ひっ!!」
「む、運から見放されているな」
だがそうだとしても。
「無理矢理切り開いて行けばいいだけの事!」
切り裂き続けるために刃を縦にしていたダガーを一時横にして、止めた上でダガーを掴んでいた腕の力だけでそこから寧ろ自分から大岩目掛けて跳ぶ。
「フッ!」
片足を振りかぶって大岩を蹴り砕く。
そして砕かれた大岩の破片が先に落ちて行くのを見計らってから、再びダガーに飛び移る様に掴み直して崖を下るのを再開する。
「良しこれでもう大丈・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
よく見れば寝て――――否、気絶している。
「・・・・・・・・・恩を着せるつもりなんて傍から無いが、これは気がついた時に感謝では無く恨み言の一つも言われそうだな」
ある種の自虐とも取れる言葉を呟きながらハンターは順調に下って行った。
−Interlude−
「・・・ぅ・・・ぅぅうん・・・」
周囲のほのかな温かさに誘われて覚醒の兆候を見せる帆波。
少しづつ瞼を開くと、そこには椅子に座ってうたた寝している甘凪の姿が在った。
「甘・・・凪・・・?」
「ぅん・・・?――――お姉ちゃん!?って、そうだ!お母さーん!お姉ちゃん起きたよーーーっ!」
あっという間に自分の前から去ってお母さんを呼びに行く甘凪の姿の慌ただしさに、直に現実だと理解させられた。
「此処は・・・教会?」
状況を把握しようとベットから起き上がろうとすると、
「ッ!?」
足先の方から鋭い痛みが響いたのが分かった。
見ると右足首に包帯がまかれており処置されている事に気付いた。
何所から何所までが夢とも疑ったが、これで恐らくは全てが現実だったと言う事が推察できた。
いや、その前に甘凪はなんて言った?お母さんを呼びに行った?じゃ、じゃあ、お母さんは・・・・・・。
「お姉ちゃん!」
そこへ甘凪が戻って来た。自力で歩けてるお母さんを連れて。
「お母さん
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