第3話 嵐龍、現る
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を。だがまずは俺にと言う事か」
「えっと・・・?」
「君のせいにする気は無いが、此処に辿り着くために小型大型の差別なくモンスターたちを狩りつくしたから、この雪山でのモンスターたちのカースト争いが始まってるんだろう。だがまずはその元凶の俺にと、洞窟の外に集ってると思われるのさ」
これに対して謝罪しても問題ないと言ってくれるハンターさん。
「で、ですけど、私で両手塞がってるじゃないですか?やっぱり・・・」
「降りる必要は無い。一時的にも手を組んで集団で襲えば何とか俺を食い殺せると、その程度の雑魚なら武器など使わなくてもどうと言う事は無い。ーーーー行くぞ」
「きゃっ!」
少女を抱えたまま洞窟を出ると、待ち構えていたのかギアノスが俺達を食い殺そうと口を大きく開いて突進して来た。
俺はそれを上段蹴りで迎撃する。
アグブッ!
蹴り上げられた事により無理矢理口を閉ざされたギアノスは、痛みと衝撃で怯む。
その隙を逃すほど俺は慈悲深くない。
上段蹴りで僅かに浮いたギアノスをボールに見立てて、モンスター達で固まっているか場所へ蹴り抜く。
利用されたギアノスはくの字のまま、モンスターたちに見事着弾。その役割を果たしてその場で息絶える。
「大丈夫だったか?」
「は、はい。なんとか・・・」
「こっからも動き激しくするから、両腕を俺の首に掛けるようにしっかり掴まっていてくれ」
「は、はい!」
その後は言う通りだった。
時に片足の太腿と脹脛でモンスターを挟み込んで、もう片足で回転しながら挟み込んだモンスターの手足の爪を武器として寄って来る他のモンスターを撃退したり、時に如何いう理屈か分からないけどハンターさんが片足を思い切り地面を踏み込むと周囲が揺れて多くのモンスターたちが悉く転ぶ現象を起こすなど大暴れ。
暫く暴れに暴れてからその場から離れて行く。
「す、凄いですね。本当に武器も使わずに蹴散らせるなんて」
「お褒めに与り光栄だが、あまり喋らない方が良い。舌を噛んでしまうぞ」
ハンターさんの忠告で私は口を閉じた。
それにしても・・・・・・。
こうして強く抱っこされていると、朧気な思い出が呼び起こされる。
顔も覚えていないお父さんが、昔の小さかった頃の私を強く優しく抱き上げてくれた頃の事。
そう思うと、この見ず知らずのハンターさんに昔からの憧れの想いを重ねてしまう。
――――まるでお父さんみたいだなとって、うひゃぁああああああ!?」
落ちてる落ちてる落ちてるぅうううううううう!!?
帆波の悲鳴通り、現在落下中だ。答えとしては単純明快。崖から飛び降りたからである。
「あのあのあのぉおおおお!?これ死んじゃう死んじゃう
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