第3話 嵐龍、現る
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俺は今、エニノゼカ村に行くために雪山を便って向かっていた。
理由はエニノゼカ村とン・ゼンア村を結ぶ参道のモンスターが棲みついていないかのチェックだ。
だがそれは建前。正式な仕事ではあるモノの、俺に回すような仕事では無いらしい。
本命は――――。
そこで雪山をしばらく歩いていると、少し離れた箇所からブルファンゴが数頭にドスファンゴが一頭此方に突進してくることに気がついた。
面倒なので殺意を飛ばしてブルファンゴたちの原生的本能に刺激を与える――――つまり恐怖感を煽って逃走させた。
だがドスファンゴには通じずにない。
「仕方ない」
背中に背負っている武器の二つの内、大剣を抜く。
その大剣でドスファンゴの突進を躱したすれ違いざまに、両方の角を叩き割った。
ブモォオオオオッッ!!?
割った角に神経が張り廻らされたかは知らないが、幾分かのダメージを受けた様だ。それに畳掛けるように改めて殺気を贈る。
ッ!?
今度こそ怯み動けなくなったドスファンゴを確認してその場から去る様に前進を再開する。
そこからまた少し進むと、覚えのある――――と言うかティガレックスの咆哮が聞こえて来た。
アレが得物無しに咆哮する筈が無い。
聞こえる方を辿って行くと、振り続ける雪で確認しにくいが何かを襲っている様だ。
さらによく見ると、あれは!
「人だと!?」
此処に人がいてもおかしい事は無い。現に俺が此処に居るわけだし依頼や調査が有れば他のハンターだって来るだろうし。
しかしながら問題は服装だ。あんな軽装でこの猛雪吹き荒れる雪山に来るとは何事かと問い詰めたい所だが今はその時では無い。
見れば足をやってしまった様で動けずにいるであろう人と、それに跳びかかって行く轟龍。対応としては決まっている。
「喧しい」
跳びかかった宙に浮いている所を狙って思い切り轟龍の脇腹を蹴り上げて、崖から突き落とした。
「さてと」
事情を聞こうとまだ男女の性別確認すらできてない人に近づこうとするも、背後から突進してくる何かに気付いた。
「おっと」
それを最低限の動きで躱してから見ると、矢張りと言うべきか先程の角を砕いてやったドスファンゴだ。一度目は見逃したが、かかってくるのなら二度目は無い。
また突進してきた所を容易く躱してから一瞬真横について、思い切り蹴り落とす。
勿論、ティガレックスを落とした同じ崖下に。
ブオォオオオオオオッッ!!?
唸り声をあげながら落ちていくドスファンゴ。
ティガレックスもそうだが、運が悪くなければ十分生き残れる可能性はあるだろう。
兎に角、邪魔者がいなくなったので急いで先程いた人を追いかけようとするが
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