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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica28-B覇王の記憶〜Memory of farewell〜
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提案してくださらなければ、私はこれからもクロゼルグの事を忘れていたかもしれません」

「いいえ。私の方もこうして多くの歴史を観られて嬉しいですわ」

クロは、魔法とはまた別の体系である魔女術を使う魔女の一族(クロゼルグ)の一員で、よくイタズラをしてきました。クラウスやオリヴィエ殿下とはとても仲が良かったのですが、どうもリッドとは折り合いが悪く・・・

――い゛ぃー! ミアなんてきらーい!――

記憶映像のようにクロはリッドにはなかなか懐かなかった。リッドも最初はなんとかして仲良くなろうとはしていたけど、やはりクロはツーンとそっぽを向くばかり。

「このクロって子、どうしてリッドさんと仲良く出来ないんだろ?」

「リッドさんもとっても良い人なのにね〜」

「でも一緒に行動してるから、心の底から嫌ってるわけじゃないみたいだけど・・・」

「本当に嫌いでしたら、無視をするなりしますでしょうし・・・」

ヴィヴィオさんとリオさんとコロナさんとイクスさんが同じように首を傾げました。そんなヴィヴィオさん達の様子に、ヴィクターさんが「まぁ気の合わないこともありますわよ」と番長さんを見て、番長さんも「そういうこった」と鼻を鳴らしました。確かにヴィクターさんと番長さんの関係に似ていますね。親しいようで反目しあっていたりと・・・。

「それにしても可愛ええな〜♪ 耳も尻尾もフサフサや〜♪ 触られへんのが惜しい〜」

ジークリンデ選手は、クラウスに負ぶさっているクロの揺れる尻尾や耳に触れようと試みていますが、残念ながら幻なのでスカッと透けてしまっている。ジークリンデ選手は可愛いものがお好きなのでしょうか・・・。

「えっと、記憶を元に戻しますね」

大規模侵攻後の1ヵ月は平和でした。オーディンさんのおかげでオリヴィエ殿下の腕もこの頃には完治して、クラウスやリッドと再び鍛錬を始めました。ですが、その平和な時は終わりを迎えた。大規模侵攻の圧倒的勝利が、イリュリアの暴走を引き起こすことになってしまった。王女テウタが父王を殺害して、王座に即位。そして“聖王のゆりかご”と同じく古代の遺産である“ミナレット”を起動し、シュトゥラへと砲撃を開始した。

「さらにイリュリアは、オーディンさん達グラオベン・オルデンの不在で手薄となっていたアムルを占拠しました。クラウスはシュトゥラの戦船艦隊を率い、なおも侵攻を続けようとするイリュリアを迎撃に入りました」

その間にオーディンさん達は、アムルの奪還および“ミナレット”の制圧に動いてくれました。そして地上ではオーディンさん達の活躍によってアムルの奪還も“ミナレット”の制圧も無事に終わり、空で睨み合っていたイリュリアの艦隊も引き下がり、事なきを得た・・・と思っていました。

「イリュリアは
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