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憑依先が朱菜ちゃんだった件
第13話
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【視点:紅丸】



先行するリムル様と朱菜を追って湿地帯へと辿り着いた俺達が最初に見た光景は豚頭族(オーク)の軍勢に囲まれた蜥蜴人族(リザードマン)子鬼族(ゴブリン)混成部隊の姿だった。

恐らく、俺だけでなく親父や紫呉、同僚である右近衛大将のリグル殿も「何をどうすれば、こんな絶体絶命な状況になる?」と思ったことだろう。

余りにも酷過ぎる状態に夏官長・大司馬(だいしば)である親父も一瞬だけ呆けていたが、すぐに正気に戻り俺達に指示を出した。

指示の内容は、リグル殿が率いる大鬼騎兵(オーガライダー)部隊が混成部隊を救出する為に正面から突撃し、俺達が率いる妖鬼(オニ)部隊が豚頭族(オーク)の後方部隊を強襲するというものだった。

後方部隊への強襲の第一撃は俺と親父が同時に放った煉獄業火(サタンブレイズ)だ。大鬼騎兵(オーガライダー)部隊の突撃で豚頭族(オーク)共が混乱していたこともあり、この一撃で一気に400〜500以上は屠れただろう。

その後、他の妖鬼(オニ)達も黒炎獄(ヘルフレア)を放ち、1人辺り数十単位の豚頭族(オーク)を屠っていく。


「な、何だ?何が起こった!?」
「!?今の大魔法は貴様らが放ったものか!!?」


俺達を目視した豚頭族(オーク)が何とも間抜けな問いを口にする。


「貴様らには同族を焼き殺す趣味でもあるのか?この後方()には我らと貴様らしか居らんのだから答など分かり切っているだろう」


親父はそう告げると同時に豚頭族(オーク)へと煉獄業火(サタンブレイズ)を放った。当然、俺も親父と同時に煉獄業火(サタンブレイズ)を放ち、他の妖鬼(オニ)達も黒炎獄(ヘルフレア)の2発目を放つ。


「先のと合わせて数千の豚頭族(オーク)は屠れたか。これだけ屠れば貴様らの犠牲となった37の同胞の無念も晴れたであろう」
「その角……。貴様ら、大鬼族(オーガ)だな!?」


内包する魔素の量が圧倒的に違うのにも拘らず、俺達の事を大鬼族(オーガ)と勘違いしている豚頭族(オーク)に対して、俺を否定の言葉を返す。


「いいや、俺達は大鬼族(オーガ)ではない。大鬼族(オーガ)を凌駕した鬼だ」
「我らとしても無駄な殺生は避けたい。先程までの攻撃で貴様らの犠牲となった同胞の件も水に流してやる。故に早々にこの場から立ち去り、元いた場所へと帰れ。
それとも丸焼きにされるのが好みか?ミディアム、ミディアムウェル、ウェル、ウェルダン、ヴェリーウェルダン。ゴブイチ殿の様な料理人ではないが極力希望通りの焼き加減で焼いてや―――あっ」


親父が脅しも兼ねて右手に煉獄業火(サタンブレイズ)を発生させながら焼き加減を言って
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