第6章:束の間の期間
第185話「共に強く」
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特訓内容は知らないとはいえ、明日から大丈夫なのかと心配になった。
「大丈夫。それは椿ちゃん達も分かってるから、片手間に出来る簡単なもの且つ、有用なものを教えるって言ってたしね」
「椿も関わってるの?」
「うん。他にも葵ちゃんと奏ちゃんもね。……よかったら、アリシアちゃんも教えてもらってみる?どの道、しばらくは霊力の特訓が出来ないだろうから」
「うーん、そうだね……」
アリシアは少し考える。
司の言う通り片手間に出来るなら、やっておいて損はないだろう。
だが、それ以上に司達の行動が唐突なのが少し引っかかっていた。
「(……まぁ、再召喚の時に何かあったんだろうね)」
心当たりがあるとすれば、別行動していた時。
アリシアはそう結論付けて、今すぐに分からなくてもいいと判断した。
「……うん、やるよ」
「そっか。……あ、せっかくだからなのはちゃんとか他の皆にも教えてほしいな。理論自体はそこまで複雑じゃないから、霊力も魔力も関係ないし、アリシアちゃんも覚えるだけで教えられるみたいだからね」
「アリサやすずかだけじゃなくて、なのは達にも?……と言うか、そんな簡単に教えられるって尚更何するのか気になって来たよ」
同じ霊術を扱うアリサやすずかどころか、自分達の特訓と関わりがないなのは達にも教えておくように勧められ、アリシアはやはり疑問に思う。
「……私達だけ強くなっても、意味がないからね」
「……今は聞かないけど、いつか事情を聞かせてもらうからね?」
「うん、わかってる」
そんなアリシアの思いを感じ取ったのか、先に司が答える。
それを聞いて、アリシアは事情を聞くのは後回しにした。
「今、私達が一番の目標としてるのは、“皆で強くなる事”だから。一人一人でじゃなくて、共に。一緒に強くなろうって、決めたんだ」
「……そうだね。私やアリサ達は霊力だから椿達に師事してもらってたけど、同じ魔導師でありながらなのはや司、フェイト達でバラバラだもんね」
共通した特訓がなければ強さがまばらになる。至極当然の事だ。
だが、当然ならばわかり切っている事でもある。
「でも、同じ方法でも結局差があるんじゃ?」
「大事なのはそこじゃないよ。飽くまで、“皆で強くなる事”が重要なんだよ」
アリシアが疑問をぶつけると、すぐに司から答えが返ってくる。
「“皆で強くなる事”?」
「一人で物事を背負うには、限界がある。それはアリシアちゃんも知ってるでしょ?……もっと、助け合う、支え合う事が大事なんだ。だから、皆で」
「……なるほど……」
効率などではなく、気持ちの問題。
実際はそれだけではない複雑なモノがあるが、意味の捉え
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