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翠碧色の虹
第三十五幕:太陽よりも輝く虹
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ずつ準備をしていた素材と、写真のトリミング。こっちは「凪咲さんへのアルバム」とはまた違った作業となり、試行錯誤も必要だ。頭の中でイメージした事が本当に実現出来るかどうかは、実際に行なってみないと分からない所もある。

時崎「・・・ダメか・・・」

誰が話したか「思った事の半分でも実現出来たら大した物である」という言葉が頭の中を駆けてゆく。別の方法を考えては試してみる。なんとしてでも、形にしなければ!

現物合わせの検討は材料を消費してしまうので、基本的にMyPadで検討を行うが、これは寸法や見た目の検討のみになる為、実際に部品を作ってみると、摩擦や耐久力の問題が発生する。最初は上手く出来たと思っても、何度か動作を行うと、紙で出来た部品は疲労して期待した動作が行えなくなる。

時崎「紙よりも、もっと強度のある素材を使う必要がありそうだな」

イベントの時だけの一時的な物ではなく、末永く機能を維持できなければならない・・・アルバムなのだから。

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

どのくらい時間が経過しただろうか・・・作業に集中すると時間経過の感覚が分からなくなる。扉から音がした。

時崎「七夏ちゃん?」

俺は扉を開ける。凪咲さんが居た。

時崎「凪咲さん!」
凪咲「柚樹君、七夏、何か柚樹君に話してなかったかしら?」
時崎「え!?」
凪咲「少し、帰りが遅いみたいですので・・・」
時崎「え!?」

凪咲さんからそう言われて時計を見る。いつも七夏ちゃんが夕食の準備を行っている時間を過ぎているようだ。

凪咲「今日は少し遅くなるって話してたけど・・・」
時崎「七夏ちゃんから連絡は−−−」

その時、電話が鳴る。

凪咲「! ごめんなさい!」
時崎「はい」

凪咲さんは、急ぎ気味で電話に出る。

凪咲「七夏! ・・・よかった。今どこに居るの? ・・・そう、分かったわ。慌てなくていいから、気をつけて帰るのよ」

凪咲さんは電話をおろす。凪咲さんのすぐ側に居た俺も、状況が分かったので安心する。

時崎「七夏ちゃん、これから帰って来るみたいでよかった」
凪咲「はい。すみません」
時崎「いえ」
凪咲「もう少し早めに連絡をくれれば・・・」
時崎「七夏ちゃんは、携帯電話を持ってないみたいですから」
凪咲「そうね・・・」

部屋に戻り、アルバム制作作業に戻った。

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

凪咲「柚樹君、お夕飯、お先にどうぞ」
時崎「ありがとうございます」

俺は、七夏ちゃんが帰ってくるまで夕食を頂くのを待っていた。

凪咲「ありがとうございます。柚樹君♪」
時崎「え!?」

凪咲さんは微笑み、台所へと移動した。目の前に並べられたお料理を眺め、いつもは七夏ちゃ
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