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翠碧色の虹
第三十五幕:太陽よりも輝く虹
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さん、唯我独尊かしら?」
心桜「そうですけど、気持ち的には間違ってないかも!?」
七夏「これは、こっちの方がいいな☆」
心桜「こんな感じ?」
七夏「はい☆」

三人は、再びアルバムを眺めながら、コメントを考えてくれている。高月さんの虹は写真としてしっかり記録できているけど、天美さんも七夏ちゃんも、その事には触れていない。高月さんの髪飾りの話しをしているくらいだから、虹の事に気づいていないはずはないと思う。もっと三人と一緒に居ればその辺りが見えてくるのかも知れないけど、三人にとって既に過ぎ去った事だとしたら、待ってても答えは見つからない。

携帯端末で、今後の予定を考える・・・この街で過ごせる日に関しては、まだ七夏ちゃんや凪咲さんに話していない。はっきり決めている訳ではないけど、七夏ちゃんたちの夏休み期間の一週間前あたりに設定しておかないと、後が厳しくなりそうだな。
そもそも、民宿風水にお世話になりっぱなしなので、早くお返しをしなければという思いもある。写真機を手に取り、今まで撮影した写真を眺める。

「虹」を追いかけて、今ここに居る。不思議な虹は手を伸ばせば届きそうなのに・・・。この街に来て最初に撮影した「ブロッケンの虹」は、まだ写真機のメモリーカード内に残っている。七夏ちゃんと初めて出逢った時の写真も一緒だ。MyPadにも転送しているが、移動はさせていない。この写真のブロッケンの虹のように簡単に触れる事が出来ない不思議な虹だからこそ、今、このひと時を大切に想う。

心桜「よし! こんなとこかな?」
七夏「はい☆」
笹夜「心桜さん、もう一度最初の方から見せてもらってもいいかしら?」
心桜「はい! どうぞです!」

天美さんは、俺のMyPadを高月さんに手渡す。

七夏「私も最初から見たいです☆」
笹夜「ええ♪ では一緒に♪」
七夏「はい☆」

高月さんと七夏ちゃんは、一緒にMyPadを眺めながら操作を行っている。
天美さんは、周囲を見渡して−−−

心桜「おっ!? 飛び出す絵本!?」
時崎「あ、それ、なかなか凄い飛び出し方なんだよ」
心桜「どれどれー わぁ!」

飛び出す絵本の飛び出した箇所が天美さんの顔に触れそうになり、天美さんは反射的に回避する。

時崎「天美さん、大丈夫!?」
心桜「あーびっくりした!」
笹夜「心桜さん、勝手に触っては−−−」
時崎「全然構わないよ。高月さん、ありがとう」
笹夜「いえ・・・」
心桜「これ、びっくり箱ならぬ、びっくり本!」
七夏「くすっ☆ 大きなリボン☆」
心桜「え!?」
笹夜「まあ♪」
心桜「天然か!」

・・・やはり、天美さんは虹の話題については触れない。そう思った理由は、飛び出す絵本のすぐ側に虹に関する写真をいくつか置いていたから
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