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Epica28-A覇王の記憶〜Memory of an encounter〜
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†††Sideアインハルト†††

――君、全然笑わへんね。とゆうより楽しんでへんな、って思うてる――

「なにを・・・?」

否定の言葉を口にしようとも発声することは叶わず。それに構わずジークリンデ選手は話を続けます。

「ヴィヴィオちゃんやコロナちゃん、リオちゃん、ミウラちゃん、ルーテシアちゃんやリヴィアちゃんは、負けて悔しがりはしても笑顔で楽しんでるんが判る。そやけどアインハルトちゃんは、心から楽しんでへんし、笑ってもない。考えを改めたって言うてたけど、まだご先祖様の記憶ゆう鎖からは逃れられてへん」

膝の上に乗せていた両拳をギュッと握り締める。私の右隣に座るヴィヴィオさんと、左隣に座るイクスさん、それにコロナさんとリオさんも心配そうな目で私を見ました。

「ウチも、前はアインハルトちゃんみたいなもんやったよ。とゆうか、ついさっきもそうやったな。望んでへん記憶やら力やらを受け継いで。使いこなせへんかった子供の頃は物をなんでも壊してた。なんでウチが?なんて考える毎日。そやけどヴィクターと出会って、インターミドルを知って、今のウチがある。境遇もそっくりやと思わへん? でも君は笑えてへんのはどうして?」

「それは・・・」

似ていない、とは否定の出来ないジークリンデ選手のこれまで。でも1つだけ違うことがある。ジークリンデ選手が言うように、笑えているか笑えていないか、だ。そんな私とは違うジークリンデ選手の問いに、「私は笑えません・・・笑ってはいけないんです」と答えた。頭の中でずっと思っていて、でもヴィヴィさん達と過ごす時間の中で薄まっていた思いを改めて思い知らされた私は、両手を胸の前でギュッと握り締めた。

「ヴィヴィオさん達との練習は良い経験になりますし、とても有意義で本当に楽しんでいます。でもやはりクラウスの願いを果たすのが、私の運命だと思うから・・・。彼の悲願を果たすまでは笑ってはいけないと思うんです・・・」

「うーん。ご先祖様へ敬意を払うことも、誇りを持つことも良いことや。けど現代(いま)のアインハルトちゃんの、君だけの人生を犠牲にしてでもやらなアカン事? それをご先祖様が望んでると? 喜ぶと? 心も体も記憶に縛られて痛めつけて、もうどこにもあらへん国や亡くなった人のために、自分の生活を蔑ろにする君を見て、ホンマに嬉しがると?」

「わ、私はそこまで自分を犠牲にしているつもりはありません。確かに目標はクラウスの悲願達成ですが、それは自分のためでも・・・!」

「またそれや。何かとご先祖様を話に出す。強くなりたいゆうんはまだ解かるよ? でもそこにどうしてご先祖様の悲願なんて言葉が出てくるん? 自分のためにゆうんなら、まずそんな言葉が出てこーへんはずや。結局、君はご先祖様を優先してる、自分を犠牲にしてる
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