猫娘と神野区異変編
NO.086 淀む空気
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に顔を詰め寄るお茶子。
それで珍しく慌てるような姿を見せる爆豪。
この男がここまで体裁を崩すのは珍しいと他の四人も成り行きを見守っていた。
それでとうとう観念したのか少し頬を赤くさせながらも爆豪は白状する。
「……くそヴィランと戦ってる時に俺の右腕を切られちまったのはもう知ってんだよな?」
「うん。デクちゃんが治したっていう事も知っとる」
「すげーよな。腕の切断まで治しちまうんだからな……」
「リカバリーガールもお手上げのようなものだな」
切島もそれでどこか感心したような声を出し、飯田がそう言葉を続ける。
「そん時に見たんだよ」
「なにを……?」
「走馬灯をだ」
それを聞いて全員は爆豪が結構危ない橋を渡っていたのを再度認識した。
確かに腕を切られたとは言ったが、それを知ったのはすでに治してもらった後だったからというのもあるがどこか現実味がなかったのも感じられる。
「走馬灯か……どんなもんだ?」
「こう、物心ついた時から客観的な視点で俺と、そして出久の過去の光景を見せられたんだよ……つい、最近の所まで」
「……それは……つまり、爆豪さんが緑谷さんの事を言葉は悪いですが“デク”と蔑称で呼び始める光景を第三の視点で見せられて過去の自身の過ちをまじまじと見せられたという事ですか?」
「ああ……」
「うわー……」
お茶子がそれで思わず変な声を出す。
それならば今更ではあるが蔑称を名前呼びに改めるキッカケにもなったと言えるだろう。
一同はそんな爆豪のいい方向への傾向に感心した。
それから時間は少しばかり経過して新幹線は神野区へと到着した。
「さぁどこだ八百万!!」
と、すぐに駆けだそうとしている切島。猪突猛進ぶりをいかんなく発揮しているところであろう。
だが、そこで八百万が待ったを掛ける。
「ここからは用心に用心を重ねないといけませんわ。私たちはすでにヴィラン達に顔を知られているのですのよ!」
「そ、そうだったな……特に飯田は一応は抹殺予定されてたもんな」
「ぐっ……耳が痛い」
それで警戒しだす一同。
そこに八百万が提案があるという。
そして向かったのは何でも揃うが売り文句のお店『ドンキ・オオテ』。
少しして一同は服装と姿を変えてお店を出てきた。
「なるほど……変装か」
轟は半分の白い髪を隠すように黒いヘアーの被り物をして、どこか高級ホストを思わせる佇まい。
「夜の繁華街……子供がうろつくのは目立ちますものね」
八百万はドレスを着てサングラスを掛けている。
「パイオツカイデーチャンネーイルヨー!!」
飯田は、どこかのホストの下っ端店員みたいな感じで変な呪文を叫んでいる。
切島は獣人の耳をつけて飯田の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ