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銀河英雄伝説〜其処に有る危機編
第十四話 俺は君達を知らないんだが……
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、僕は兵站の事が知りたい」
「俺も行く」
皆が図書室に行くって言い出した。もしかすると閣下が居るかもしれない。その時は閣下がずっと校長閣下で居てくれて嬉しいって言おう。きっと閣下は喜んでくれる。楽しみだな、これからどう変わるんだろう。



帝国暦487年 12月 1日 オーディン  士官学校    ヴァレリー・リン・フィッツシモンズ



「申告します、本日付で士官学校教官の命を受けました。マルカード・フォン・ハックシュタイン准将です」
「同じく、ルーカス・フォン・レーリンガー大佐です」
「同じく、ヤーコプ・フォン・フェルデベルト大佐です」
「同じく、リヒャルト・エンメルマン大佐です」
四人の男性士官が校長室で敬礼している。

「エーリッヒ・ヴァレンシュタインです。卿らの着任を心から歓迎します。未来有る候補生達の才能、可能性を十分に育ててください。お願いします」
大将がにこやかに答えると四人が“尽力いたします”、“そのように努めます”と答えた。
「ハックシュタイン准将には戦略戦術を、レーリンガー大佐には戦史を担当して貰います。そしてフェルデベルト大佐、エンメルマン大佐には兵站を担当して貰います」
四人が“はっ”と言って姿勢を正した。あらら、緊張してるわね。

後は閣下が各科目の主任教官と話してくれと言って終わらせた。四人が部屋を出て行く。閣下が溜息を吐いた。
「如何なされたのですか? 教官の人員も充実して閣下の御希望が叶ったと思うのですが」
私が問うと大将が恨めしそうに私を見た。

「皆妙に緊張していました」
「それは……、閣下が帝国軍三長官に密接に繋がっていると思っているからです」
「そんな事はないんですけど……」
「ですが十年間異動が無い、士官学校の教官の増員、どちらも閣下が希望し直ぐに実現しました。これでは……」
また溜息。そんな切なさそうにしなくても……。

今の状況って大将にとっては悪くないと思う。元々身体が丈夫じゃないんだから前線に出て無理をする事はないじゃない。時々レポートを出して評価されて、……昇進しているんだから評価されてるのよね? それに候補生に楽しそうに教えているし候補生達も大将の授業を喜んでいる。大将ももっと喜んで良いと思うんだけど……。

帝国軍三長官に密接に繋がっているというのも間違いとは言えない。レポートを出すと何時も軍務尚書が怖い顔で連絡してくるんだから。それだってレポートの内容がアレだから怖い顔をしてるんだと思う。アルテミスの首飾りを氷で壊すなんて誰も考えつかないわ。役に立っているんだし頼りにされているのは事実なのよ。

それにフェルデベルト大佐とエンメルマン大佐は大将と士官学校で同期生だって聞いた。そりゃ緊張するなって言う方が無理。絶対無理。それを言う
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