46 夢の中の夢の夢。
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ありがとうございます。とお礼を言うと当時に彼らもその場を去ったので、私たちはお言葉に甘えて、入浴などの寝る準備を整えてから敷かれた上等なお布団の上に体を横たえた。暫くの沈黙の後、晋助が沈黙に耐え切れなかったのか、先に口を開いた。
_「…お前、『見廻組』の新設についての話、聞いたか?」
_「…ええ。聞いたわ。どうしたの?」
_「…いや、ただその話をされてなァ…鬼兵隊も警護やらなんやらで色々と手伝ってほしいことがあるそうだ。」
_「…へぇ、警護、ねぇ。なんだか裏が透けて見え見えなんだけど。…何を警護すればいいんでしょうねぇ。」
_「…さァな。そのうち連絡が来るだろうよ。さてところで。迎えはもうすでに着いたそうだ。そして、明日は幹部のメンツもこの屋敷に来ることになった。」
_「…そう。…明日が楽しみだわね。」
さて、寝るとするかねェ。とか言って晋助はさっさと布団に横になった。帯を解いて襦袢姿になり、持っていたバッグからコンパクトな櫛を取り出し、さっと解かした。背後から視線を感じたので、ゆっくりそちらを振りかえると、晋助がこちらを見ていた。
具合はどうだ?と訊かれたのでまぁなんとか。と答えると、彼はふっと微笑んだ。そして、手招きしている。
思いきってダイブしてみた。
_「随分と、甘えたさんだなァ…零杏?…どうかしたのか?」
晋助の膝枕に収まった。疲れが出てきたのか、少し眠くなってきた。最近ずっと悪夢が続くので、ここは思いきって言ってみるべきか、少し迷う。
_「…晋助、寝物語でいいから小耳に挟みながら聞いててね。…そう言えば私、この間倒れたでしょう?…その後くらいから嫌な夢を見るようになったの。ちょっと冷や汗をかくような、、、なんと言えばいいのかしら…なんとも言えず気持ちの悪い夢よ。でも、毎回同じ夢を見るの。そして毎回ちょっとずつ進むんだけど、いざクライマックスになると目が覚めるの。…気持ちが悪いったら…言葉に表せないわ。」
背中をさすられながら、どんな夢を見るんだ?と聞かれた。
_「…双子の夢よ…。」
_「双子?」
_「ええ。多分私が思うに彼らはお腹の子たちだわ。」
_「それがどうして?」
さぁね、分からないわ。とだけ言って、夢を少しばかり思い返してみる。
_「双子が誰かに抱っこされてるの。で、二人とも私の方を見てるんだけどね、なんか赤ん坊にしてはすべてを悟ったような遠い目をしてるわ。そしてじっとこちらを見てるの。」
_「ほォ…で、一つ疑問なんだが、その…抱っこしてるヤツの顔は見えねェのか?」
_「…ええ。見えないわ。誰が抱っこしてるのか、分からないの。」
だが実際、これは
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