動向
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子だと思いながらも、同時にこうも考えていた
『(自身の真価に気付かぬ哀れな子・・・・誰よりも闇が似合う男となれるというのに)』
自分がその道に導いてしまえばいいのだと。怒りも悲しみも失望も。その全てが闇に堕ちる材料となる。そして疑念さえもその一端を担うのだ
『うちはアスカ・・・・彼女はうちはイタチに殺された。ですが、それは一族の為だと思いますか?』
疑惑の種を蒔き、それが怒りに、悲しみに、失望に繋がっていく。しかし、すぐにそうなってほしい。完全な闇でなくとも。怒りの形相を貼り付けたハルマを見ながら、ハクアは笑う。“少し近付いてきた”しかし、まだ足りない。もっと煽って、もっと近付いてもらわなければ。ハルマを自身でさえも辿り着けぬ深層意識に連れ込んだハクアはこれから自身が望む方向に事がいくのだと思うと笑いが止まらなかった
『ふふふ。楽しみですね。あなたが闇を取り戻した姿がもう少しで』
その為に全てを利用してしまおう。彼の友も、何もかも。全てが黒く染める材料になるのだから
上空から差し込む光の眩しさにカナは思わず手で覆った。目の前にはハルマとレツが意識のない状態で横たわっていて、当分目覚める様子はなさそうだ。これから先には、他の受験者たちが動き出すだろう。彼らに見つかる前に動き出して欲しいと考えているが、二人の傷を見ればその可能性が低い事は一目瞭然だった
「・・・・ハル・・・・・・レツ・・・・」
二人を見て、彼女は唇を噛み締めた。レツは全身に火傷を負っている一方でハルマは全身の経絡系損傷。二人とも、その他にも大なり小なりの傷は至る所にあるが、最も酷い傷はこれだ
「(ハルには竜の力があるから、ギリギリのところでもってるけど、経絡系を治さなきゃ起きる事はないわ。でも、どうすれば)」
ハルマは経絡系の損傷によってチャクラの回復が進まない。チャクラが回復しなければ傷を癒す事が不可能なだけでなく、最悪の場合は衰弱し、死に至る可能性もある。しかも、ハルマの場合は自身が内包するチャクラは強大だ。それが一気になくなれば、その可能性は高くなっていく。カナもそれを理解している。しかし、その目からは強い覚悟の色が見えた
「(私が二人を守ってみせる・・・・)」
献身的にカナが二人の看病を行っている間、当然だが他の受験者たちの中には巻物を奪う為に行動に出ているチームもあった
「まだ見つからねーのか・・・・?」
一つは音隠れの朱里、家昌、将門のチームだ。彼らは木から木へと走るようにして移動していく。痺れを切らしたように家昌が問いかければ、このチームでリーダーの役割を担っている朱里が諭すように話す
「仕方あるまい。奴らは下忍の中でも優秀らしいからな。既に突破してい
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