第2部 ゲーマー少年は唯一神と暇潰しをするようです
第1話 挑戦状
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ステファニー・ドーラ?────元王族、現宰相。エルキア王である空と白に国政を一任?────もとい放任され常に仕事漬けになっている憐れな少女。
普通なら、ゲームに水を差す彼女の行動は野暮の極みだっただろう。だが?、彼女が今も尚仕事を押し付け続けられている事を考えれば、むしろ同情の念が湧いてくるというものだ。
生憎、空と白はそんな同情の念など欠片も抱きはしないが?────空曰く『出来た人格者』であるグシはそうでもないらしく、重い腰を上げて面倒くさそうに口を開いた。
「ったく、水を差すなよ赤毛……何の仕事があんの」
「ええ、もうその呼び名にも慣れましたわよ……連邦としての国家間条約の提携に関する書類が山ほどありますわ、処理する為に少しでも多くの人手が欲しいんですのよ」
グシの問いに、げっそりとした顔で答えるステフ。その様子は正に疲労困憊と言うべき惨状で、その仕事量の多さは想像しただけで嫌になるレベルだった?。
だが、グシはステフの言葉に全く反応を示さず、平然とした様子で言葉を返す。
「なんだ、山なのか。てっきり部屋を埋めるくらいを覚悟してたんだが」
「え……今、なんておっしゃいましたの?」
何やらサラッとすごい事を言ってのけるグシに、ステフは耳を疑う。
何せ、グシは今仕事量が想定をはるか下回っていたと言ったのだ。机の上に山を築く程の書類の処理を?、容易い事と言ったのだ。
それだけでもステフには驚愕だったが────グシは、なおもステフを驚愕させる言葉を吐く。
「赤毛、お前の仕事一週間分巻いてやる。だからゲームに水を差さず、クマ消える程度には寝ろ?────頑張り過ぎだ」
もはや驚きを通り越して呆ける事しか出来ないステフ。グシはそんなステフに構わず、彼女の執務室にさっさと歩き出した。
「えっ、あっ、ちょっと待ってくださいな!?」
その後ろを、ステフがオタオタと着いて行った。
?────場所は移り、ステフの執務室。
先程耳を疑う発言を聞いたステフは?────今度は、目を疑う光景を目の当たりにしていた。
それは、高々と積まれた書類の山が『溶ける』光景だった。
山が見る見るうちに低くなるのだ。それも、しっかり書類に目を通し、訂正まで加えての処理?────文句の付けようがない仕事ぶりで。
それだけでも十分驚くに値するのだが?、グシはここまでの事をし
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