第18話 にーちゃん
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った。だが、ダークランスは一笑し、その心配を一蹴した。
「にーちゃんがそんな事すると思うか?」
「……もう、今更だけど その、にーちゃんって決まった訳じゃないんでしょ? 何度も違うって言ってたし」
「……かもしれないな」
「へ?」
絶対に信じてる! と疑わないダークランス。他の誰が違うと言っても、本人が違うと言っても、絶対にめげるコトない、とヌークは思っていたのだが、まさかの発言に驚いてしまった様だ。
「でも、それでも言い。『……もう、いなくなってしまった。もう会えない』そうずっと考えて、ふさぎ込んでたあの頃に比べたら全然良い。……違うかもしれない? 上等。そっちの方が断然良い。例え本当に違ったとしても――」
ダークランスは空を見上げた。きっと、何処かでまた会えるだろう。必ず会える、と信じながら。
「あの人は良い人だ。にーちゃんに似てるんだから。同じ気配を感じるんだから当然。オレは最後の最後まで信じるぞ」
「そう。……良いんじゃない? それで。そっちの方が私も良いと思うわ」
落ち込むダークランスを見るよりは一番良い、とヌークは思う。
ずっと傍にいたいし、何より彼にはずっと笑顔でいて欲しいから。
「じゃあ、これからはどうする? ネプラカスとクエルプラン、やることはまだ多いんだけど」
「にーちゃんに頼まれたからな、とりあえず、優先は家族。……それに、オレも久しぶりに妹や弟たちには会いたい。勿論、にーちゃんの子供は皆オレにとって妹や弟と一緒だ」
「だね。了解」
「じゃあ、行くか」
「ええ」
そして、ダークランスはグラムを拾い上げて、先へと向かう。
家族の為に。そして、きっと、その先に、―――ずっと先に待ってくれているであろう人を求めて。
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