第18話 にーちゃん
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ているだろう、と予測はしていたが」
「えーる?」
誰の事だ? と首を傾げるダークランス。
その時、横にいたヌークは大体の予想がついたのか、先に答えた。
「ひょっとして、さっきネプラカスに襲われてた子たち? ハニーとかいろいろいたけど」
「あの悪魔は、エールたちを襲っていたのか。………(ここで仕留めておくべきだったかもしれんな。ダークランスには悪いが)」
少々表情を険しくさせながらゾロはつぶやいた。
同じ場所にいる以上、その可能性を考えてなかった訳ではないが、やはり直接その事実を聞いてしまうと、そう思ってしまう。
クルック―の家で、あの子の事を見守る、とは言ったものの やはり情が思いのほか強い様だ。
……なぜなのかは、今 語られることは無いが。
『不器用だな。……互いに』
「(無論だ。……それこそ仕様がない。……――――しい、のだから)」
『……そう、だな。否定はしないよ』
難しそうな、それでいて何処か上の空なゾロの顔をダークランスは覗き込んだ。
「どーしたんだ? にーちゃん」
「いや、何でもない。……そろそろにーちゃんと言うのを……、いや、まぁ 良い。言って治るのなら もうとっくに治ってる筈だからな」
「にっひっひー。オレらにとっては、にーちゃんはいつでもにーちゃんだ。ヒトミ姉がお兄ちゃん、っていうみたいに、ずーっとにーちゃんだ!」
「あー……―――、口調も完全におかしくなっちゃって。私が会う以前はずーーっとこんな感じだったの? ゾロ」
「私と出会った時は既にこの調子だ。………それ以前、と言うのなら私に聞かれても困る。だが、判る事はあるよ。それ程までに、かの男は慕われていた。ただ、それだけの事だろう」
「そう。(……私なりのかまかけのつもりだったんだけどー、ま うまくいかないわよね。と言うより、ダークランスは間違いない、って言ってるけど、本当の本当、100%とは言えないし。そもそも、私会った事無いから何とも言えないのよね……)」
ヌークは何処か諦めた様子をしていた。それは、追及をなのか、ダークランスの事を、なのかは正確には判らないが。……いや、どちらもだろう。
「んじゃあ、にーちゃんもリセットとヒトミ姉のトコに行こうぜ!」
「悪いが、少々野暮用が出来た」
「そんなこと言って、逃げるつもりだろっ! もう逃がさないもんね。……絶対、ヒトミ姉には会ってもらう。また、会ってもらう」
ダークランスは、魔剣グラムを地に捨てて、ゾロの腕を取った。
先ほどまでの甘えた表情は完全に消え失せ、真剣な顔つきになっている。
ダークランスは、何よりも家族を大切にしている。
先の戦い。己の精神と身体を限界以上にまで酷使し、戦い続ける事が出来た理由もここにあっ
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