第18話 にーちゃん
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逅。ゾロはしっかりとマスクをしていたのだが、何かを感じ取った、とでも言うのだろうか。魔人ホーネットと似通った能力の様なものを発揮し、ダークランスは照準を合わせた。間違いない、と、心の中で。
鬼畜王戦争の際、仲間たちと袂を分かつも同然だった結果を受けても尚、彼の事を追い続ける内の1人なのだ。
「もうっ、ダークランス。ちょっと落ち着きなさいよ」
「待っててくれ、ヌーク。もうちょっとにーちゃんの匂いを……」
「それ、メチャ気色悪いわよ……。流石に」
「良いじゃねーーか。ほんと久しぶりなんだからよ!」
「判ったから判ったから、ほんと落ち着いて」
ダークランスは1人ではなく、共に同行している者がいる。
それが彼女 ヌーク。ヌークは天使。現在神異変の為、神はおろか天使も姿を消しているのだが、とある事件でこの世界に舞い降り……そしてダークランスに出会った。
見た通りダークランスに惚れており、一途に想っている様だが、今のダークランスの視界にはゾロしかいないのが可哀想な所でもある。
「お久しぶり、で良いかしら? えっと、ゾロさん」
「天使ヌーク77……。ああ。違いない。久しいな」
「ふふ。でも 元、よ。元天使」
「そうだったな。ダークランスと共にいることを選び、堕天したんだった」
「ッ! そ、そんなんじゃないわよっ! た、ただ ダークランスには仮もあるし、その……」
もごもごと、口を動かすヌーク。好意を頑張って隠そうと躍起にはなっているが、バレバレである。
「にーちゃんっ、にーちゃんっ!」
でも、当のダークランスは どちらかと言えば ゾロにメロメロ? である。不吉な影を落としながらも、ヌークは生気が抜けたような目をしていた。
「落ち着けダークランス。それに、グラムが危ない」
「おっとっ」
ダークランスはグラムを鞘へと納めた。
自身の身体よりも巨大な剣だったが、まるで意思があるかの様に、みるみる内に小さくなり、鞘へと収まる。
「それで、にーちゃんはどうしてここに? ひょっとしてリセットやヒトミに会いに来たとか? 絶対喜ぶぜ! だって、にーちゃんだもん」
「……目的は、アレを見に来た。恐らくはここに来るとふんでいたからな」
ゾロは、ダークランスの問いに答える。
その答えは、ダークランスが言う様に、彼にとっての姉妹に会いに来た、と言うものではなかった。言葉には出していないが、ゾロの視線の先にその答えはある。
かの存在が通った道は、全てが削れる。何も残らない。そう、大怪獣クエルプランだ。
「あいつを、……なのか?」
「残念そうな顔をするな。シャングリラにも足を運ぶ予定ではあった。……そうだ。ダークランスは会わなかったか? エールと言う少年に。この辺りに来
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