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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十七話 敵の動向がわかりかねます。
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濡れていたけれど、視線が下を向くことはなかった。

「あなただけは私が守る。ラインハルト・フォン・ローエングラムの護り手は沢山いるけれど、あなたを守ることができるのは私だけよ。だから、私は絶対にあなたを死なせたりしない。そして、見捨てたりもしない。」
「・・・・・ティアナ。」
「言っておくけれど、死亡フラグなんかじゃないからね。そんなものを立てる趣味はないし、立てる気もさらさらないわ。私は本気の本気よ。」
「・・・・・ありがとう。」

 小さな声だったが、それでも少し、ほんの少しだけでも親友の心が晴れたならば―――。

(私はとても嬉しいのよ、フィオ。)

 バ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!

 という無粋な音、ついでドサドサッと部屋に物が落ちかかる音が突如した。二人は飛び上って、後ろを振り返った。折り重なるようにして部屋の中に倒れ込んでいる人間たちがばつの悪い顔つきでこちらを見上げている。

「・・・・何してんの?」

 ティアナが低い声で言う。

「え、えへへへ――。」
「このぉ!!あんたたちィ〜〜〜〜〜〜!!!!」

 ティアナが腰に手を当てて侵入者共を見下ろした。

「な〜〜〜〜〜に人のプライベートエリアに入り込んでんのよォッ!!!ケーテ、エミーリア、シャルロッテ!」

 怒鳴りまくるティアナの隣で、フィオーナは驚きに口に手を当てて、

「・・・・な、何しているの?」
「私は悪くはない。この二人がどうしても提督方の身の上が心配だと。そう言うのでついてきただけです。」

 何事もなかったかのように服のほこりを払いながら立ち上がった一人が言った。この3人を周囲の人はトリコロールと呼ぶ。古来の地球のフランスという国における国旗の色にそっくりだからだ。
 赤色の髪をツインテールにしたお転婆風なごまかし笑いを浮かべているのが、シャルロッテ・フィアット。耳元までかぶさる短い青色の髪をしてティアナの怒声をあらぬ方向を向いて「我関セズ」と受け流しているのがケーテ・ルノワール。真ん中でかわるがわる二人に謝るように急き立てている真面目そうな長い銀髪がエミーリア・ショコラティエ。
 トリコロールの3人は女性士官学校の新進気鋭の提督たちであった。3人はエリーセル遠征軍の前衛艦隊を預かることとなっている。

「いやぁ〜〜〜!まさか扉のロックが外れるなんて〜〜〜!!!」
「外れる様な所にいるな!!」

 そう言った後、ティアナが額に手を当てる様を、フィオーナはようやく笑いと共に見ることができた。一人ではなく、頼れる親友や仲間たちが側にいることを認識できた笑いだった。


* * * * *
 イゼルローン要塞を留守には出来ない――。

 これはフィオーナ、ティアナ、そしてエレイン以下主だった将帥
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