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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十七話 敵の動向がわかりかねます。
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として立っているけれど・・・・駄目なのかもしれない。これからの事を考えると、足が萎えそうになるの・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「押しつぶされそうになるの・・・。作戦が始まってもないのに・・・・まだ戦ってもいないのに・・・・どうしようもなく怖くなってしまって・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「こんな大軍、私には統御統制できない・・・・・。」

震えるかすれ声が、かすかな戦慄を伴って、消えた。

「規模が違いすぎるもの・・・・。」

 親友は両手に顔を埋めた。ティアナは知っている。こんなことをするのは、二人以外誰もいない空間だから。だから・・・・・。

「・・・・・・・・。」
「私の判断ミスで、全軍が崩壊すれば、大勢の人が死ぬ。死んでしまう・・・・。イゼルローン戦線が崩壊すれば、フェザーン戦線にも影響が出るわ。そうしたら――。」
「・・・・・・・・。」
「ねぇ、ティアナ。どうして、私なの?どうしてキルヒアイス提督ではなかったの?どうして教官ではなかったの?どうしてロイエンタール元帥、ミッターマイヤー元帥ではなかったの?あなただって良かったのに・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「私には荷が重すぎる・・・・・。本当に・・・・荷が重すぎる・・・・。」
「フィオ。」

 ティアナは親友にかける言葉を選んでいた。何を言うべきか、前世から長年一緒にいる自分でも迷うときがある。それでも、言わなくてはならないことがある。

「全部一人で背負い込もうとするのはやめてって、ずうっと言ってきているでしょう?悪いけれど、フィオは全知全能でも万能でもないわよ。そんなことができるのはラインハルトと教官くらいだわ。」

 ずっと顔を両手に埋めている親友にティアナは言葉をかけつづける。

「けれどね、逃げられない時がある。それはどうしても、どんなにもがいても逃げられない時がある。そういうときは覚悟決めないといけないのよ。嫌でも。」
「・・・・・・・。」
「でもね、忘れないで。いいえ、忘れさせない。私がいつも必ずそばにいるという事を。あなたが倒れそうになったら、私が全力で支える。戦場で軍が崩壊しそうになったら私が体を張って叱咤激励して絶対立て直して見せる。悪いけれど、私の方が得意よ。そういうの。」
「・・・・・・・。」
「そりゃ一人じゃ私だって無理よ。けれど、私がフィオに勝てないもの、フィオが私に勝てないもの、それを活かしあいながら、支えあいながら、前に進むことはできるじゃない。それは私たちだけじゃないわ。ルッツ、ワーレン、エーバルト、みんな私たちにないものを持っている。」
「・・・・・・・。」
「私たちは一人じゃない。一人だなんて思わないで。」

 親友は顔から手を放した。まだ肩は震えていたけれど、灰色の瞳は
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