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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十七話 敵の動向がわかりかねます。
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うのか?」
「閣下の仰せになったことはよくわかります。いえ、わかっているつもりです。ですが、相手の狙いがまさにそれだとしたら、閣下はその狙いにわざわざ乗られるおつもりですか?」

 そこまで言ってから、ヒルダは突然顔を曇らせた。それはラインハルトに対してというよりも自分に対するベクトルのようだった。

「・・・・そうだ。フロイラインも気が付いたことだとは思うが、私は敢えてこの所業に及ぼうというのだ。その覚悟なくしては、自由惑星同盟の敵は倒せぬ。つい先刻ゴールデンバウム王朝は地球教徒の本拠地の地球を徹底的に殲滅した。その犠牲者の中には女子供が含まれていることは疑いない。だが、卿等はそれに対して特に否定の色を見せなかったな。」
『・・・・・・・。』
「相手が地球教徒から自由惑星同盟に呼称が変わっただけの事だ。だが、私はその生命を奪う事の意味を承知しながら、敢えてこの戦い方を選ぶ。私に向かってくるものはたとえ女子供で有ろうとも容赦はせぬ。その先にある最大多数の最大幸福のため欠くべからざるものをつかみ取らねばならぬからだ。」

 静かだが一切の妥協を見せない強い意志が込められていた。

「わかりました。出過ぎた発言をお許し下さいまし。」

 ヒルダはそう言った。ラインハルトはほんの一瞬だったがヒルダに柔らかな光を投げかけたのがイルーナの目に映った。ラインハルト以下主要幕僚会議の結果、前衛艦隊のビッテンフェルト及びバーバラ艦隊は進撃予定宙域において更なる情報収集と、主要攻略橋頭堡として足掛かりとなる宙域を選出するように指令されたのだった。


* * * * *
 イゼルローン方面軍、エリーセル遠征軍――。

 フィオーナはティアナと二人、イゼルローン要塞の宇宙に面したプライベートエリアに佇んでいた。二人の目の前には漆黒の空間が広がり、その中にほんの少しだけ光点が見える。この狭い回廊では存在する星々はそう多くはない。

(一体どれだけの星々が銀河にはあるってのよ。)

 ティアナはそんなことを考えながら、目の前の空間を見入っていた。前世では絶対にこられなかった宇宙に時空を超えて、世界を越えて、こうして触れるところに立っていることが奇跡のような気がする。もっとも、その奇跡には少なからぬ代償も伴うこととなるのだが。

「ティアナ。」

 目の前の親友が声を出したことに、ティアナの反応は数秒遅れた。

「何?」
「・・・・・宇宙、広いよね。こうして立っていると自分が小さな存在だっていうこと、嫌でも思ってしまう。」
「・・・そうね。」
「・・・私、やれるかな・・・・。」

 ティアナは親友の横顔を見た。ライトブラウンの髪の色が照明のせいかアッシュグレーに見えている。

「こうしてここに、別働部隊の総司令官
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