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永遠の謎
501部分:第二十九話 人も羨む剣その二十三
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第二十九話 人も羨む剣その二十三

 微笑みそうしてだ。彼等に感謝の言葉を述べた。
 それからだ。この話もしたのだった。
「後はです」
「はい、後は」
「何でしょうか」
「ワルキューレです」
 この歌劇の名前を出すのだった。ここで。
「あの歌劇のことですが」
「間も無く初演ですね」
「あの歌劇も」
「間も無く」
「そうです。陛下はその初演を楽しみにされています」
 これは王も表に出していた。確かにワーグナーとの衝突はあるがだ。
 それでだ。ホルニヒも侍従達に話すのである。
「陛下は必ず出席されます」
「そうですね。何があろうともですね」
「陛下は」
「そうです。体調管理にも気をつけておられますので」
 全てはワルキューレを観る為である。自らそうしているのだ。
「そのことの準備も御願いします」
「では歌劇場側ともですね」
「詳しく調整をして」
「そのうえで」
「そうして下さい。ただ」
 ここでだ。ホルニヒはまた言った。
「陛下は観劇の際ですが」
「そうですね。近頃は」
「人に観られたくないと仰っています」
「その間も」
「そのことはどうにかならないでしょうか」
「それはかなり」
「難しいのではないでしょうか」
 だがだ。侍従達はだ。
 このことについてはだ。実際に困難だと顔に出してだ。ホルニヒに答えた。
「観客達は歌劇には常にいるものです」
「そうですね。だからこそ」
「はい、歌劇場です」
 こう言うのである。侍従達も。
「ですが陛下はですか」
「そうです。あの方は近頃お一人を望まれていますので」
 何についてもだ。そうなtっているからだというのだ。
「ですからどうにかならないでしょうか」
「それは幾ら何でもです」
「難しいのでは」
 侍従達は難しい顔で話す。
「歌劇場ですから」
「人がいるものですから」
「あの方は歌劇は好まれます」
 ホルニヒはまだ言う。このことも。
「しかし誰かに見られることはです」
「望まれない」
「そうなられているからこそ」
「それを何とかしたいと思われています」
 王がだ。そう考えているというのだ。
「そして昼もです」
「あの方は何かが変わられているのですね」
「そうなってきていますか」
「次第に」
「そう。次第にです」
 そうなっているとだ。ホルニヒは話す。そうしてだ。
 王をさらにだ。気遣っていた。だがその気遣いが実るとは限らない。そのこともまた彼を苦しめていた。そうなってきていた。
 しかしそれでも王への敬慕を捨てずにだ。侍従達に話し続ける。
「陛下はまた考えられるので」
「その御考えをですね」
「実現されたいのですね」
「そう考えています」
 ホルニヒ自身もだというのだ。
「是非」

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