10.魔法学院(別世界)から魔王と魔女がやってきました。
stage2
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行っていてくれないかな?」
「……っ、わかりました。ローブだけは回収しておきますね」
レンが白いローブを手渡してくる。黒いローブは脱げと言う事か。
まぁ脱いで、大体畳んでから白いローブと交換すると、レンは其の場で黒いローブを焼いた。指先に炎が生成されたところから察するに、此れは魔法か。
「では、先に行っています」
レンが携帯端末をしまい、何処かへ走って行く。"ローブに付けられた、追尾用のマーカーに気付かずに"。
暫く爆裂魔法を発動した輩を探してから、マーカーの近くに転移すればいいか。
此のマーカーは、普通のシールからでも作る事が出来る。まぁ、シールを隠蔽系の能力で隠し、事実改変系の能力で、シールが剥がれた時、その事実を改変する様にし、其れをしっかりと機能させるために時間操作系や、条件作動系の能力を掛ける必要があるが。
一時期は、其れを売り捌いて軍資金を稼いでいた時期が在った様な。
爆裂魔法を発動した奴も探すのも良いが……そう言えば、グレースとラルに合流しなくてはいけない。
うむ、どちらを優先すべきだろうか。
「―――おい、居たぞ」
「あんなひょろっちぃ女が……」
…………前方に人影。五十人程だろうか。
間違えなく、爆裂魔法をぶっ放した集団である、侵略者共だ。
全員が私が先程まで羽織っていた黒いローブと同じものを羽織っていて、いかにも頭のおかしそうな奴等だ。
「確保し、処刑しろぉっ!!」
如何やら、私を追ってきた奴等らしいな。
まとめて殺してやろうか。
奴等は此方に向けて手を突き出す。すると、其処に氷の結晶が生成される。いかにも、弱そうな魔法だ。
私へ向けて一直線に結晶は飛来する。スピードはかなりあるため、常人なら即脳天をぶち抜かれて終了だろう。あくまで、"常人なら"の話だが。
「遅いねぇ」
此の速さと距離では、能力を発動するには充分だった。
「【複製】」
爆裂魔法を複製し、収束。結晶と同等程の大きさにした其れを大量に生成し、目の前に壁を作り上げる。
氷の結晶は壁に阻まれ、此方まで届くこと無く四散していく。
腕を振れば、壁は一つ一つの粒に分裂し、侵略者目掛けて飛んでいく。そして、侵略者は狼狽えながら、死んでいった。
こう言う魔法の使い方で良いのか、少し不安になるが、まぁ気にすることは無い。
屹度、此の世界でも願は叶わない。叶ったとしても、死ねるか分からない。
まぁ、死ぬにしても死なないにしても、此の世界の奴等から、私に関する記憶が抜けるのは確かだからな。
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