機動戦士ガンダム
2251話
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「ふざけるな!」
そう叫んだのは、ラル。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。
声には出していないが、ルナ・ジオンの幹部達全員が不愉快な……そして怒りを抱いているというのは、それこそ明らかだった。
まぁ、無理もない。
何しろ、ルナツーから地球圏……それこそサイド3や月、サイド6といった場所を含め……そして当然のように地球にも、その演説が流れたのだから。
いやまぁ、その通信の内容が連邦軍の士気を高める為にジオン公国を非難するようなものであれば、まだ納得出来た。
だが、その演説で話題にされたのは、ルナ・ジオン。
それも、つい先日行われた月付近での戦いについてのものだった。
もっとも、当然のように事実を口にする訳にはいかない。
曰く、自分達の戦力に恐れをなし、降伏を申し込んできた。
曰く、戦力差は圧倒的で、こちらが軽微な被害であったにも関わらず、ルナ・ジオン軍は壊滅的な被害を受けた。
曰く、ルナ・ジオン代表のセイラがどうにか撤退してくれないかと頭を下げてきたので、仕方なくそれを許容した。
曰く、自分達はシャドウミラーという存在に脅されて仕方がなく命令に従っているだけだ。だからシャドウミラーを倒せば、自分達は連邦軍に降伏する。
曰く、曰く、曰く、曰く……
正直なところ、よくもまぁ、そこまで出鱈目を言えるなと思うくらいに、連邦軍が演説で喋っていた内容は凄かった。
……それを聞き、セイラの保護者役を自認しているラルやアンリ、ルナ・ジオンを自分の帰るべき故郷と定めたシーマ、それ以外の面々も、連邦軍に対して怒りを露わにするのは当然と言えた。
「というか、後半はともかく前半はある意味で間違ってないよな。こっちと連邦軍の立場が完全に逆転してるけど」
そう告げると、ラルやアンリ達も若干怒りが収まったのか、確かにといった様子で頷く。
降伏……正確には停戦を求めてきたのは、こちらの実力をしっかりと理解している連邦軍、ただしルナツーではなく、ジャブローにいる本当の意味での連邦軍のトップだし、被害を殆ど出さずにこっちが勝ったというのも間違いなく事実だ。
それを考えると……この演説をした奴は、自分で言ってて虚しくならなかったのか?
「そもそも、連邦軍の支配地域だけにこの通信を流すのであれば、まだ理解出来る。連邦軍の士気を少しでも上げる為、という理由でな。だが……何故サイド3や月にまで流す必要がある? それこそ、こちらの敵意を買うだけだと思うのだが」
そう呟くのは、ダグラスだ。
冷静に喋っているが、当然のようにその心中には怒りがあるのだろう。
額の血管が浮き出て、ヒクついている。
「何で、か。……まぁ、普通に考えれば挑発だと思うが?」
一番分かりやすい答えをそう
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