第四十八話 合格してその七
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「このことは」
「誰なの？」
「まあそれは内緒で」
「それもいつも言うわね」
進路のこと以上に言っています、本当に。
「好きな人のことになると」
「まあそれは内緒ってことで」
「誰にも言ってないの？」
「言える筈ないですよ、そんなこと」
何故かここでお顔を赤くさせた阿波野君でした。
「そういうものじゃないですか」
「そうかしら」
「先輩は言えます？」
「私そうした人出来たことないから」
「あれっ、初恋もないですか」
「ううん、あったかしら」
そう言われると困りました、小学五年の時に同じクラスの子がいいと思ったことがあってそれが初恋ですが。
誰かと付き合ったことはなくて阿波野君にも返事をしかねました。
「お付き合いしたことはないわ」
「初恋はあるんですね」
「あるといったらあるけれど」
「そうですか、まあ僕もあるんですけれどね」
「そうなの」
「小学校の時に学校の先生を」
好きになったというのです。
「そうなりましたけれど」
「お付き合いはないのね」
「はい、それにもう決めた人いますから」
「その人が今好きな人ね」
「そうなんですけれどね」
「じゃあその人に何時か告白するの？」
私は阿波野君の横顔を見ながら尋ねました。
「そうするつもりなの？」
「そうしたいんですが」
「じゃあ告白したら？阿波野君結構お顔もスタイルもいいし」
背も高いですし。このことはかなり羨ましいです。
「性格はいい加減なところをなおしたらね」
「いいっていうんですか」
「おみちにも熱いし」
このことはかなり大事だおｔ思います、おみちでは。
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