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ドリトル先生と日本の鉄道
第一幕その五
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「全部同じ幅にね」
「そうですよね」
「他の私鉄の企業とも一緒だったりするよ」
「そうなんですね」
「だから日本全土に同じ車両で行くことが出来るんだ」
「八条鉄道の」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「線路の幅が統一されているとね」
「いいんですね」
「そうなんだ。だから線路の幅はね」
「大事ですね」
「そう、それでね」
 先生はトミーにさらにお話しました。
「線路の幅も重要なんだ」
「鉄道にとってですね」
「欧州各国とロシアでは線路の幅が違っていたね」
「今もそうだったでしょうか」
「そうだよ、欧州やアメリカ、オーストラリア、中国とはね」
「ロシアの線路の幅は違うんですね」
「そして日本もだよ」
 今先生達がいるこの国もというのです。
「時には同じ企業の中でも線路の幅が違っていたこともあったんだ」
「同じ企業でもですか」
「買収、合併の中でね」
「元々違う企業だったからですか」
「それで線路の幅がね」
 違っていたというのです。
「それで台風の時に線路が壊れて」
「修理の機会にですか」
「統一したってこともあったんだ」
「そんなことがあったんですね」
「線路の幅は確かに重要だよ」
 先生はトミーにも今そこにいる皆にも確かな声でお話しました。
「何しろその幅の鉄道でないと走れないんだからね」
「だから欧州各国の鉄道はロシアでは走られないんですね」
「イギリスの鉄道もアイルランドでは走られないよ」
「線路の幅が違うからですね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「北アイルランドは実はね」
「このことも問題ですね」
「うん、このことはあまり言われないかな」
「イギリスとアイルランドは線路の幅も違うということは」
「歴史的なことがあって仲が悪いけれどね」
 イギリスとアイルランドはです。
「鉄道のこともね」
「違っていて」
「難しいですね、ただ」
「ただ?」
「線路の幅はこれまで考えてこなかったです」
 トミーは先生に考えるお顔になってお話しました。
「ちょっと」
「そうだったんだ」
「というか同じ国でも企業によって違うこともですね」
「さっき僕が話した通りにね」
「時には同じ企業の中で」
「そう、違うとかね」
 そうしたこともというのです。
「あるからね」
「そこも考えることがですね」
「鉄道では重要なんだ」
「成程、わかりました」
 強い声で頷いたトミーでした。
「鉄道は線路あってですが」
「その鉄道の幅もね」
「大事ってことですね」
「そうだよ」
「わかりました」
「やっぱり僕の国もそこは考えているよね」
 王子は線路の幅について先生に尋ねました。
「そうだよね」
「勿論だよ、このことはね」

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