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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
おでかけ
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った。

レフィーヤが仕留めたパープルモス以外の全ての魔石の入った袋がドサッとベルに渡された。

「い、いただけませんよ!?」

「それは、ベルが仕留めた物。ベルが受けとるもの」

「でも……」

「ま、受け取っとけ。どうせフィン達は深層まで稼ぎに行く。そんくらい端金だ」

「は、はぁ…そうなんですか…」

ベルはその袋を受けとると、エザンディスを振った。

「ヴォルドール」

そうして出来た穴に、袋を落とした。

「便利、だね。ベルのそれ」

「人が居たら使えませんけどね」















中層上部

ヘルハウンドの一斉放火に対し、ベルはエザンディスを一振りした。

「ティンカー」

刹那、空間が”裂けた”。

その一撃の軌跡から、闇が溢れ出す。

炎は闇に触れるとその勢いを衰えさせ、やがて消えた。

「っ……。団長。持ち替えていいですか?」

「構わないよ」

「バルグレン」

ベルが握る大鎌が闇に溶け燃え上がる。

その焔は朱と金に別れ、ベルの両手に収まった。

「お願い」

放たれた二度目の炎は広がる事なく、ベルに向かって一直線に放たれた。

否、ベルが炎を吸い寄せている。

集められた炎は、ベルが持つ二振りのナイフに吸い込まれた。

朱いナイフの金の宝玉と、金のナイフの朱い宝玉。

二つが輝く。

「炎を…食べてる…?」

「フランロート!」

ベルの体が淡い焔を纏う。

今尚炎を吐き出し続けるヘルハウンドに向かって、ベルが駆け出す。

一閃。

「燃え尽きろ」

一匹に一撃づつ入れ、ベルが下がった。

魔石まで焔がまわったヘルハウンドが、あっけなく灰になる。

「ふぅ…収支はプラスかな…」

ボッ! と双剣が焔をあげて霧散した。

「よくやったな、ベル」

リヴェリアがウサミミ・カチューシャごとベルの頭を撫でる。

「んゅう…」

頭を撫でられて目を細める姿は、兎というより子犬だった。

「例の報告書、やけにヘルハウンドの撃破数が多いと思ったらこういう事か」

「報告書…? あ、あぁ…二週間前の…。
はい、一応マインドも回復しますからね。
ヘルハウンドの巣に突っ込んで炎を食って回復してました」

ぐにぃー…

「いひゃいれふりえりあひゃん」

「もうするなよ?」

「ふぁい…」

ベルが頬を擦る。

「兎君頬っぺたさわらせてー」

そこへティオナがやって来て、ベルの頬をむにむにと触り始めた。

「……………………うそでしょ…?」

「?」

するとティオナはベルの頬から手を離し、背を向けた
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