おいわい
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い…いやもしかしたらハイレベルになるとエネルギーを取る量も増えるのかな…?
ざっとファミリアの女性を見渡すと、それなりに食べているようだが太っている人はいない。
「安心せぇベル。余ったらウチらで分ける」
「そう…だね」
ナイフで切ると、ジュワッと肉汁が溢れてくる。
っていうか切っても口に入りそうにない…ちょっと行儀悪いけど、しかたないよね。
フォークにさした肉を食いちぎる。
赤身で歯応えがある肉だ。
「ベル、旨いか?」
「ふぁい、おいひいれす」
「そいつぁよかった」
side out
「けふ……うぷ…」
「おいおい…私のひざの上で戻すなよ…」
なんとかステーキを完食したベルは、少し気分が悪そうだった。
「ちょっと外いってきます…」
とてとて、と外に出たベルは、入り口の階段に腰かけた。
「ふぅ……やっぱり多かった……『俺』ですら食べきれそうにないのに『僕』の体で入っちゃうのは……ファルナのおかげかな…」
ふと、ベルは『自分』の記憶の中から一冊の本を思い出した。
「ああ…そうだ…。アイソレーターのジェットとルビー…。
人に過ぎた力の代償…ってことか」
突然、ベルの視界が暗くなった。
「だ〜れだ?」
「生憎僕は貴方の名前を知りませんよ。銀髪のウェイトレスさん」
「ふふ、だーいせーいかーい!」
彼女が、ベルの隣に腰をおろす。
「私はシル・フローヴァといいます」
「僕はベル・クラネルです」
「えっと…ベルさんはおいくつで…?」
「あはは…僕はこんなナリですけど14のヒューマンですよ。あと、男です」
「まぁ! かわいらしい!」
「カッコいいっていわれたいんですけどね」
「うふふ、ベルさんはカッコいいですよ。
だって、貴方は私達の英雄ですもの。
そうでしょう? ダークヒーローさん?」
「?」
ベルが不思議そうに首を傾げる。
「ご存知ないんですか? 先日ダイダロス通りのシルバーバックを倒した冒険者の呼び名です」
「へ、へー…」
「つまり、貴方の事ですよ、ベルさん」
「う……///」
「私ダイダロス通りに住んでいて、あの時も遠目に見ていたんですよ?」
「それは…なんていうか…その…恥ずかしいですね」
「いいえ、あの時のベルさんは格好よかったです。
貴方はあの通りの住人を救ったヒーローなんですよ」
「て、照れますね…」
シルの指が、ベルの頬に沈む。
「なんれすか…」
「うふふ…なんでしょうね〜?」
シルは立ち上がると、一度店の中に戻った。
そして、一分もせずに戻ってく
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ