機動戦士ガンダム
2249話
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「あー……えっと、うん。まぁ、その……ハワイにでも送っておけばいいんじゃないか?」
俺の口から出た言葉に、ラルを含めてルナ・ジオン軍の者達が微妙な表情で頷く。
今回俺が相談を受けたのは、ツィマッド社から送られてきた献上品についてのアドバイスだ。
その機体は、水陸両用MS……いや、スペック的に見ると、MSと呼んでもいいのかどうか、迷うような機体。
ただ、ツィマッド社ではこれもMSと認識しているし、SEED世界のバクゥも一応MSという認識になっているので、MSという認識でいいのだろう。……多分。
映像モニタに映し出されているのは、大きめの上半身に小さな下半身。胴体からはクチバシが生えているように見える機体で、前後対称。
そんな、非常に不格好な水陸両用MSだ。
MSM-10ゾック。
ツィマッド社が得意としているホバー性能を活かし、地上で移動する時は歩くのではなくホバー移動をするという機体。
とはいえ、色物というだけではなく、攻撃力は非常に高い。
何しろ、メガ粒子砲を8門も装備しているのだから。
つまり、近接戦闘を切り捨て、完全に後方からの援護射撃に特化した機体という事だ。
そう考えれば、そこまで悪くない機体なのかもしれないが……機動力が低いという点で、微妙な感じだ。
ぶっちゃけ、ツィマッド社もどうせ送ってくるのであればドムとかリックドムを送ってくれればいいものを。
もっとも、ドムやリックドムはジオン軍の主力機という扱いである以上、容易に俺達に流すような真似は出来ないのだろう。
これでツィマッド社がジオニック社のように、ルナ・ジオンやシャドウミラーとの関係構築に出遅れているのであれば、R2型を送ってきたように次期主力機を送ってくるという可能性も否定は出来なかったが、生憎とそこまでする必要はないという判断か。
ツィマッド社の人間に聞いてみたところ、このMSは試作品としてキャリフォルニアベースで開発された機体らしい。
……つまり、地球からわざわざ月まで持ってきたという事になるんだが……そのままハワイに持っていって欲しかったというのが、正直なところなのだろう。
シャドウミラーとしても興味がない訳ではないが、実用性という点で考えると、この機体はかなりの疑問を抱かざるを得ない。
そうなると、幾らこの世界の技術に期待している技術班でも、そこまで興味を持つとは……うーん、どうだろうな。
MSの徒花といった感じで、資料的な意味はあったりするのか?
そんな風に思いつつ、再びゾックのデータに目を通す。
性能の中でも特に目を引くのは、動力炉の出力だ。
ザクとかとはちょっと比べものにならないくらいに高い出力を持つ。
その辺りはちょっと珍しいが……だが、当然ながら今のジオン……いや、ツィマッド
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