第一章 物語の始まり
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男は、夢を見ていた。
それは嘗て自分の大切な娘と...そして初めて愛した掛け替えの無い愛する妻と何気ない日々を過ごす...
...そんな普通であり大切だった幸せなモノだった...
晋武の娘「お父さん!見て見て!ほらぁ蝶々さんだよぉ!綺麗でしょ?」
晋武「...ああ、綺麗だな。よかったな...唯衣」
唯衣「うん!」
晋武は、娘が自分に対し蝶を見せる姿に微笑ながら見ていた。
晋武の妻「ホント綺麗ね。でもね唯衣、そのままだと蝶々さんが可哀そうだから逃がしてあげないと...ね」
唯衣「え?可哀そう?どうして?」
晋武の妻であり唯衣の母親でもある彼女の言葉に、娘の唯衣は不思議に思う様な表情を浮かべた。
そんな娘に対し、晋武も...
晋武「...そうだな。捕まえたままだと蝶が可哀そうだから、逃がしてあげよう。唯衣」
父の言葉に唯衣が困った顔を見せる。
唯衣「え?でもぉ」
そんな娘に晋武は微笑ながら膝を曲げて、目線を娘と合わせて言う。
晋武「お父さんとお母さんはもう十分見せて貰ったから、蝶々さんをお家に帰してあげよう...ね?唯衣」
唯衣「うん!分かった!蝶々さんをお家に帰す!」
晋武の言葉に笑顔で返してから、両手の中に包み込んでいる蝶を逃がしてあげた。
晋武「...うん、唯衣は偉いなぁ。お父さんの自慢の娘だ」
その言葉と共に娘の頭を撫でてあげ、娘の唯衣も嬉しそうに頬を赤く染める。
唯衣「えへへ///」
そんな様子を見ていた晋武の妻は、頬を膨らまし彼に抱き着いた。
晋武の妻「あなたぁ!唯衣にばかり甘やかして酷いわぁ!」
晋武「...自分の娘に嫉妬してどうする... 玲紀」
晋武は妻の嫉妬に対し呆れながら言うが、それでも彼女の言葉は止まらない。
玲紀「だって、あなた!確かに唯衣は私たちの娘だけど、それでもこの子は1人の女なのよ!
何かの拍子で父親に恋をするかもしれないわ!」
晋武「...アホか」
玲紀「アホではないわ!」
そんな夫婦の姿に娘は...
唯衣「お母さんばっかりズルい!唯衣もお父さんにべったりするぅ〜」
玲紀「ダメぇ〜!お父さんはお母さんの物なのぉ〜!」
晋武「...まったく、仕方ない...」
そう言いながらも、晋武は笑っていた。
...しかし、そこから夢が変化して、自分の傍にいた妻と娘は変わり果てた姿で死んでいた...
彼は膝を崩
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