序章 一つの終幕、そして新たな開幕へ...
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彼女はその姿に悲痛な面持ちで見て叫ぶ。
女「何故だ!?何故そうまでして戦う!?もう戦いは終わった!!勝敗は決したんだ!!お前が...お前が無理して戦い続ける必要は『無理などしてない』なに?」
頭や顔を鎧で覆っている為、どのような表情を浮かべているのか分からないが、彼から放たれた声は鎧の所為なのか掠れたような感じの状態で彼女に冷たく返す。
男『...俺はいつも思ってきた。俺は戦い中でしか生きられぬという事を...だがそんな俺にも、
守るべき者たちが確かに居た』
男がそう言うと女が悲しい表情で言う。
女「それは...お前の死んでしまった妻と娘か....」
男『ああ...俺は、その時はこう思った。俺にも誰かを愛し、守る事が出来ると...だが、それは...間違いだった。』
女「間違いだと!そんな事はないっ!!お前が!!お前なりに誰かを愛したことに間違いなど、在ろうはずがないっ!!!」
彼女は目の前の男の悲惨さに嘆きながら剣を振う。そして彼を殺さずに勝利し、共に新しい天下を作って欲しい...そう願った。
そうした互いの刃のぶつかり合いの中、男は彼女の腹に蹴りを入れ吹き飛ばし距離を離した。
女「くぅ!!」
女は吹きとされながらも態勢を整え、剣を構え直す。そんな彼女に対し男は己の方天画戟を片手で持って矛先を彼女に向けながら仁王立ちになっていた。
二人の間に静寂に包まれ、それを見守る彼女の将兵等は固唾を呑んでいた。
男『...この一撃をもって決着を着けよう“劉光”。もういい加減、お前の話しには聞き飽きた...』
男の言葉に、女...劉光も決意する。
女「良いだろう。しかし!!私はお前殺す気は無い。お前を殺さずに生かして、共に新しい世の為に...いや、私と一緒に生きて欲しい... “晋武”。また昔の様に 真名で呼び合いたい...」
男...晋武は、劉光の言葉に少し黙った後....
晋武『...今までに散々俺に無様に負けてきたお前が、俺に勝つなど不可能だ。確かに此度の戦ではお前の勝ちだが、決闘で俺に勝てるなど皆無だろうが...』
劉光「それでも私はお前に...晋武に勝つ!!」
晋武『...不可能だ...』
そしてまた静寂に包まれ誰もが喋る事は出来ずにいた。そんな中、晋武の愛馬、雷轟が大きな鳴き声を発した。
ヒヒ――――――――ンッ!!!!
それを合図に二人は駆け、互いの刃を叩きこむ.....
の筈が....
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