「……ショウキは……『ずるい』です……」
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から、幾人もの見知らぬプレイヤーが飛翔してきていた。当のリズは見るからにボロボロであり、プレイヤーたちを睨みつけながらも口を開いた。
「逃げ――」
「リズ……?」
――ただしその言葉が最後まで発せられることはなかった。見知らぬプレイヤーたちの一人がついでのように放った火炎弾に直撃し、焼き尽くされてあっさりとリメインライトと化した。あまりにも一瞬すぎて判断出来なかったのか、プレミアが呆気にとられた声を漏らした。
「いたぁ!」
「下がってろ!」
ただし呆気にとられている場合ではない。プレミアを無理やり下がらせて、さらに放たれる誘導火炎弾数発を、その数だけ出現させた円盾を犠牲にすることで防ぐ。魔法の狙いは明らかにプレミアであり、理由は分からないが、あのプレイヤーたちは確実にプレミアを殺しに来ている。
「おい! なんで邪魔するんだ!」
「そっちこそ、なんで撃ってくる!」
チラリと背後を見れば、ユイが妖精となって逃げ道を探してくれていた。ならばショウキは時間を稼ごうと、幸いなことに話しかけてきてくれたプレイヤーの一人と会話するとともに、突破口を探そうとするが。
「あんた知らないのか? クエストのこと」
「クエスト……?」
「……ショウキ、ユイ。こっちです」
とはいえショウキたちがいるのは聖堂の最奥。あいにくと逃げ場はなく、付近のマップを捜していたであろうユイもゆっくりと首を振る。会話による足止めも長くは出来ないだろうと、ショウキの背中に冷や汗が流れたところで、プレミアから小さく指示が出される。
「っ!」
そうしてプレイヤーたちに投げナイフを牽制として放つと、ユイとプレミアを回収しながら、ショウキは聖堂の最奥にあった聖大樹へと飛び込んだ。もちろん本来なら聖大樹にぶつかるだけだろうが、不思議にもショウキたちの身体は聖大樹の中に沈んでいき、馴染み深い感覚に襲われていく――転移の感覚だ。
「プレミア……こ、これは?」
「カイサラから聞きました。あの樹は転移門となっていると」
そうして閃光がしぼんでいき、聖大樹がある見覚えのある洞穴へとショウキたちはたどり着いていた。追っ手が転移してないことを確認しつつも、理解が追い付かず周囲をキョロキョロと見回すユイに、プレミアがしたり顔で説明する。ショウキも一度だけ見たことがあった、エルフたちの使う聖大樹から聖大樹への転移……ただしそれには、エルフたちに伝わる秘鍵を持っている必要があり、今その秘鍵を持っているのはフォールンたちのみのはずだが。
『……無事だったか』
「ギルバート……お前が?」
「お久しぶりです」
そこでようやく一同は、聖大樹の側で座していた竜人ギルバートの姿に気づく。その手の中で古
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