「……ショウキは……『ずるい』です……」
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ォールン・エルフたちの聖堂だった。
「ここか、ユイ?」
「はい。間違いありません!」
そうしてプレミアの居場所として連絡された場所でユイと合流すると、先のクエストの時と同様に、フォールン・エルフによって偽装された聖堂への入り口がそこにあった。一連の事情と場所は仲間たちにメッセージで送ったものの、世界を壊すなどという事情であれば、悠長に増援を待ってはいられない。そして浮遊城を破壊するクエストがあれば、現実に破壊されることは《キャリバー》の件で分かっている。
「よし、行くぞ!」
ならばと、偶然にもリズベット武具店に集まっていたメンバーで。キリトは二刀、アルゴはクロー、リズはメイスと、それぞれの得物を持って聖堂へと突入する。プレミアが捕まっているにしろ何にせよ、まずはフォールン・エルフたちから引き離す必要があると。そうして狭い洞窟から開けた場所に出て――
「動くな」
――フォールン・エルフたちの軍勢が、林の隙間から弓矢でこちらを狙っていた。こちらの動きを読んでいたとしか思えない配置に、ショウキは舌を巻きつつも辺りを観察する。
「ちょ、ちょっと……」
「ふふ。縁があるな、人族の戦士よ」
周囲の林の隙間からはフォールン・エルフたちが狙う弓矢、広場の中央には堂々と《剥伐のカイサラ》が立っており、その奥に聖堂が鎮座している。恐らくプレミアはその聖堂の中におり、《剥伐のカイサラ》を突破せねばそこにはたどり着くことは出来ない。
「さて……人族よ。見ての通り、数多の弓矢が君たちを狙っている。動けば射るが、そのままいれば我らの世界の復興を見届けさせてやろう」
「ほう。それはどうかナ?」
やはりフォールン・エルフたちの目的は、巫女プレミアを使っての、かつてのエルフたちの故郷であるアイングラウンドの復興。それが分かったところで今さらなんだと、ショウキは突破口を探そうとするものの、先にアルゴがカイサラの警告を無視して普通に歩きだした。
「射つならさっさと射てばいいだロ? わざわざそんなことを言ってくるのは、何か射てない事情でもあるんじゃないカ?」
「……ほう。例えば?」
フォールン・エルフに矢を向けられていようが、《鼠》の舌先は衰えることを知らなかった。芝居がかった動きでカイサラを挑発しつつ、彼女のペースへと乗せていく。
「例えば、林の中に隠れているのは人数をごまかすためで、本当はそんなに数がいない……とかナ?」
「面白いことを言うな。まずは貴様で我が同胞たちの力を見せてやってもいいが?」
揺さぶる。そして恐らくその揺さぶりは、アルゴがどこかから掴んできた情報に基づく事実だろう。それでもカイサラの鉄面皮は崩れることはなく、ただ膠着状態が続くのみだったが、ア
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