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SAO−銀ノ月−
「……ショウキは……『ずるい』です……」
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集めてきた情報なんだガ……」

 アルゴが集めてきた情報は、この浮遊城が出来た原因である《大地割断》を、断片的に語られていたものをまとめたものだった。

 いわく。かつてこの世界は一つの大地――《アイングラウンド》だったが争いが絶えることはなく、それを憂いた二人の巫女が命をとして神に祈ったために、大地は浮遊城と100層に別たれた、と。それがエルフたちの語る《大地割断》であり、アルゴがまとめた情報とキリトが手にいれた文献が正しいとすれば。

「じゃあプレミアは、SAOのプロトタイプの時に作られたデータってことか……?」

「それとアイングラウンドにいたエルフたちが、何の間違いか、今の浮遊城に現れた……」

 アイングラウンドと呼ばれる大地は設定だけではなく、恐らく浮遊城のプロトタイプとして保存されていたのだろう。そしてプレミアに何も設定がされていなかったのは、命をとして浮遊城を作ったというバックストーリーがある以上、新しい浮遊城にプレミア――いや、巫女の存在はあり得ないから。それとともに、エルフたちが現れたことに説明がいく。

 すなわち、カーディナル内に保存されていたアイングラウンドのデータが、何らかの原因によって今の《ALO》に露出してしまったということだ。

「多分、運営にも計算外のことだったんだろうな……カーディナルのおかげで、大型クエストみたいになったみたいだが」

「じゃあ、あの《呪い》はなんなんだ? エルフクエストの敵の……」

「あれは《ALO》に適応できなかった屑データだろうナ。キー坊の言った通り、カーディナルが敵役として利用したみたいだガ」

「ねぇちょっと、それなら……プレミアは、この世界を壊す力があるってこと!?」

 プレミアや突如として現れたエルフたちの正体を通して、驚愕したリズの叫びが店内に響き渡る。確かに聖大樹に祈ることで浮遊城を作ったのがプレミアなら、その逆もまた可能なのかと考えたところで、ショウキの脳裏にある言葉が飛来する。

『来ていないのか。ならいい』

 それはフォールン・エルフのリーダー格、《剥伐のカイサラ》の言葉。聖堂に侵入したショウキたちを襲いながらも、まるで目標としていた相手がいなかったかのように、あっさりと引き下がった。キズメルたちと同じくエルフの伝承が残されており、プレミアを巫女として捕まえたかったのであれば、フォールン・エルフたちの目的は。

 ――巫女であるプレミアを使った、今の世界の破壊に他ならない。

「……ショウキ!」

「……ユイから連絡だ。プレミアのいる場所が分かった!」

 リズもショウキと同様の結論にたどり着くとともに、キリトがメッセージを読み上げる。ユイがプレミアのいる場所を掴んだらしかったが、そこは言うまでもなく――フ
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