その30
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言え。適当に済ませようとするな。俺達は成長期でもあるんだからな」
私が言った事がそのまま、しかも、倍になって返ってきました。
思わず膨れっ面でサスケを睨み付ける。
けど、サスケは機嫌良さげな平然とした表情を取り繕っていた。
その澄ました顔が憎たらしくも腹立たしい。
けど、確かにそうなので反論が出来ません!!
むう。
むかつく。
「まあ、冗談はさておきだ。実際、何が作れるんだ?オレの家はともかく、お前の家に何があるのか、オレは知らないぞ。こんな時間だしな」
あっさりと、冗談の一言で私の不満を全部片付けて、サスケは現実的な事を言ってきました。
確かにそれもそうだ。
ちょっと家の畑の状況を頭に浮かべて、サスケに残念なお知らせを伝えておく。
「トマトはまだ食べれないよ?明後日辺りが食べ頃だから。食べられなくもないと思うけど…」
そう言った瞬間、ちょっぴりサスケの眉間にしわがよった。
残念そうな雰囲気が見え隠れしてなくもない。
サスケ、家の畑で収穫したトマト大好きですもんね!
実はちょっと期待してたりなんかしてたんだろうな、この反応だと。
「そうか。なら、本当にオレは何でもいい」
すんなりとそんな事を言ってきたサスケに、私はちょっと困ってしまった。
そういう返答が一番困るんですよね。
どうせなら美味しいって思って貰える物を作りたいって思うし、美味しいって思って貰えるのなら、食べたいって思う物を作ってあげたいとも思うし。
特に今日は、お礼って意味もない訳じゃないし…。
「何でもいいが一番困るんだけどなあ…」
サスケと並んで繁華街に向かいながら、眉をしかめて小さくぼやく。
その呟きを聞き咎めたサスケが不思議そうに訊ねてきました。
「何をそんなに悩むんだ?何でもいいって言ってるんだ。なら、考える事も無いんじゃないか?」
料理をしないサスケに、献立を考える面倒臭さはなかなか理解が及ばないんでしょうね。
そんなサスケにどうやってこの面倒さを理解して貰おうか…。
そうだ!
「A級任務に着くカカシ先生に、任務で使用する兵糧丸を作れって頼まれて、指定は?って聞いたのに何でもいいって言われて、サスケ、どんな兵糧丸作る?」
「どんなって…」
突然の質問に面食らったようなサスケが口籠った。
そして暫く沈黙する。
「なんだ、その状況は。だが、意外と難しいな。指定が無いのも範囲が広すぎて逆に選択に困る。しかも、奴の戦闘スタイルを思えばスタミナ特化だけではなく疲労回復効果もあった方が良いだろうし、写輪眼を持っている事も考えれば、うちはの兵糧丸をベースにした方が良いだろう。そうなると、材料は…」
意外と素直に考え込んでくれたサスケに、答えを述べる。
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