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生ける大地の上で 
第2話 たとえ、蛮勇だとしても
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轟龍からの突進を辛くも躱す事に成功したが、変な形で跳んだので右足首を痛めてしまった。
 しかも慈悲は無く、轟龍はさらに突進してくると思いきや、跳びかかって来たのだ。
 その瞬間、帆波は恐怖を感じることなく本能的に自分は死んだと直感的に理解してしまった。
 だがしかし。

 ゴアアアアアアアっっ!!?

 「・・・・・・・・・・・・・・・」

 何故か真横に吹っ飛んでいき、崖下に落ちて行った。

 「助か・・・・・・た?」

 死を理解しただけに一瞬呆ける帆波だが、自分が此処に何をしに来たのかを思い出した。

 「っ・・・い・・・行かないと・・・」

 右足首の痛みに耐えながら帆波は雪道を歩きだした。


 −Interlude−


 帆波は今、なんとか運良く洞窟に着いた。

 「いる・・・かな?」

 此処が何処かも分からずに、だが前に進む。奥に進む。
 その時、一番奥から物音が聞こえる。

 「っ」

 今迄が今までだったので、帆波は息を飲んで警戒する。先程よりも慎重に足を進めていく。
 そうして岩影から奥を覗くと、そこには何やら柔らかそうな何かがうねっていた。
 少しすると、そこから白く小さい軟体生物らしきモノが這い出てきた。

 「・・・・・・あれだ!」

 聞いていた特徴と一致する。
 それに周りには自分とあのギィギしかいない。今がチャンスだと踏み出そうとしたとき、上から物音が聞こえた。

 「な、何今の音って、ひっ!!」

 物音を辿って見上げると、此方も聞いていた特徴と一致してしまった。
 幼体と同じで体が白く、どちらが頭部でどちらが尻尾か分からない特徴を持った奇怪なモンスター。一応は竜種との事だけど今そんな事は如何でもいい。

 「目が退化してるけど熱で周囲に反応するって事はっ、ひっ!」

 天井から入り口側の方に降りて来た毒怪竜ギギネブラ。
 しかも帆波の来た道側に降りたため、必然的に奥以外に逃げられなくなった。
 それに熱源反応で容赦なく帆波に迫って来ている。

 ――――此処まで来てっ!と、冷静な精神状態なら悔しがることも出来ただろうが。

 「や、やだ・・・。死、死にたくない、死にたくないよ・・・!!」

 逃げ場のない洞窟で奇怪なモンスターが迫って来る恐怖により、帆波の思考は死への恐怖と拒絶に支配されていた。

 ぐぱっ!

 そして無慈悲にほぼ眼前にまで迫って来て、帆波を呑み込もうと大きく口を開いた。

 「っ!」

 あまりに恐ろしく、次の瞬間に自分がどうなるか理解していながらも目を瞑った。

 「・・・・・・・・・?」

 しかし幾ら待っても自分が呑み込まれて死ぬと言う残酷な現実に襲われていな
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