第2話 たとえ、蛮勇だとしても
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を持つギギネブラと言われるモンスターの体液などが必要でしょうが・・・・・・まさか」
此処で神父が気付いた。
それに遅れて一之瀬渚も気づけた。
「私――――今度は私がこれから行ってくる。絶対お母さんを毒から救って見せる」
「だ、めよ。帆波・・・!」
「お母さんが私と甘凪の気持ちを置き去りにして死のうとするなら、私も勝手にさせてもらう。私も勝手にお母さんを救うために行動する」
余程決意が固いのか、それとも目を合わせたら決意が鈍るからか、3人から背を向けて入り口にまで走る帆波。
「神父様、どうか帆波を止めて・・・くだ、さい」
「いけません帆波さん!」
「ヤダよお姉ちゃん!」
聞かない。今度は私が皆の気持ちを置いて行く。
お母さんの。
甘凪の。
神父様の。
3人の気持ちを蔑ろにしてでも、今度は私が救うんだ。絶対助けるんだ・・・!
その無謀、或いは蛮勇ともいえる決意を胸に帆波は礼拝堂を出て、猛雪すぎる雪山に向かうのだった。
−Interlude−
決して見縊っていた訳じゃない。舐めていた訳じゃない。でも・・・。
「あっ、はっ、はっ、やっだっ」
キャアッキャアッ!
ギャアッギャアッ!
例え肉食系モンスターがいたとしても、隠れるなりすればやり過ごせると思っていた。
けど現実は違った。私はいとも容易く見つかって、今は数匹の青く細いモンスターに追われていた。
「あっ、はっ、あっ、はっ」
私はただひたすら逃げていた。
もとより何所の洞窟を目指せば目的のギィギを見つけられるか分からないのだから。
「あっ、はっ、あっ、はっ、あっ、はっ、あっ、はっ」
それにしてもと思う。
私の方は雪の浅い所を探してなんとか逃げているから明らかに遅い。
対して青く細い肉食モンスター達は雪の上を簡単に跳ねているだけなのに私に追い付けないでいる。有り得ない。いや、もしかして。
そんなとき視線を前に戻した瞬間、幾つもの牙と大きく長い舌が視界を奪うと同時に迫ってきた。
「ッッ!!」
意識したわけではない。それでも体が勝手に反応して横に避けた。
ギュルルルっ、ゴアッゴアッ!
私が躱したのは私を追ってきていた数匹にとても似ているが大きさが段違いの肉食系モンスターだった。
「っ!」
この瞬間私は嵌められたことに。
狩りのやり方の一つとして、自分たちが複数で標的が一体だった場合、何人かで追いかけて疲れるまで追い詰めたところに待ち伏せていた者たちでトドメを刺すという戦術。
私はそれを逆に使われたんだと。
「クッ!」
いつの間にかにあっという間に囲まれてしまっていた
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