第2話 たとえ、蛮勇だとしても
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ね。2人共。今は私のお給料でもやっ・・・ぱり足らなくて、周りの御宅に少しづつ借金しな・・・がらの生活だ・・・ったのよ」
「だったら私も働くよ!今年の春で私も働ける歳だから進学なんてしない!」
「それは・・・。でも遅いのよ」
「遅い?どういう意味?ううん、それ以前にお母さんがどうして毒に蝕まれているか聞いてなかった・・・」
先程後回しにした疑問が気になった帆波。何故か胸騒ぎに襲われたらしい。
「一之瀬さんは状況改善の為に正直無謀極まりない方法。雪山に入って高価で取引されている鉱山物を誰にも知られずに取りに行っていたのです。ですがあの雪山は地元の私達でもまず近づかないほどの猛雪ぶり。それでも諦めずに探しに行った昨夜にギィギの群れに襲われて毒液を吹きかけられてしまったのです」
「そんな・・・!」
如何してそんな無茶を!なんて責められない。私も同じ立場ならお母さんと同じように行動を起こしただろうことは容易に想像できるからだ。
ギィギと言うのも学校で習った。凶暴なモンスターの一種の幼体だという位は。
「・・・・・・取りあえず納得は出来ないけど理解はしたよ。それで遅いって言うのはどういう意味?」
「代わりにまた私が答えましょう。一之瀬さんの解毒は急を要します。言いたくはありませんが、峠はあと四日ほどでしょうか」
「っ」
「そんな・・・」
私と甘凪はその意味を正しく理解してしまい絶望する。
お金は無く、これ以上借金など出来ない。さらにはお母さんの余命はいくばくか。
「2人・・・共、大、丈・・・夫よ」
「な、なにが・・・?」
お母さんは何とかにっこり笑いながら話しだした。
この国には公僕の両親を持つ子供限定だけにある制度があると言う。
公僕の両親または里親を持つ子供が、もし16になる前に保護者を亡くせば国からの無償の支援を受けられると言うシステムだ。
だから今自分が死ねばその制度が適用されて、帆波と甘凪が成人になるまでの経済状況は保証されると言うモノだ。
「そ、そんなのダメだよ!」
2人の母親――――一之瀬渚の案は確かに合理的だろう。だがそんな事を実の娘2人が受け入れられる筈もなかった。
「今まで以上に苦しい生活でもいい!私も甘凪も今まで以上に我慢するから・・・!」
「だから措いて行かないでよ・・・お母さん!!」
「2人共・・・。ごめん・・・・・・ごめん。けど・・・他の方法が・・・無いの」
それでも嫌だよと泣きじゃくる甘凪に対して、私もすごく悲しいのに何所か冷静になって来た。
「・・・・・・神父様。解毒剤って作れるものですか?」
「・・・?ええ、恐らくは。ただどうしても、この毒を与えたギィギの本体か、親の毒怪竜の異名
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