第2話 たとえ、蛮勇だとしても
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ーギルドからハンターさんが派遣されて見回りに来るらしい。
ちなみにハンターギルドはこの村――――ン・ゼンア村とエニノゼカ村の二つとも小さいながらも在るんだ。建物の中に入った事は数回しかないけど。
話は少しずれたけど、私のこの学校への行き来は全部ハンターさん達のおかげだ。
「と、ところで帆波ちゃん。い、妹の甘凪ちゃんは如何したんだい?ま、まさか行方不明だとか?」
「はい?いえ、単に軽めの風邪です。明日には何時もの様に登校出来ると思いますよ?」
嘘をついた。風邪なんかじゃ無くて甘凪はほぼ絶対に仮病だと思う。だって甘凪は勉強嫌いだから。
「そ、そうか。それなら良いんだ・・・」
「・・・・・・」
この衛兵のおじさんだけじゃなく、この村の人達は私を含めたエニノゼカ村から登校しに来ている子供全員に時折今みたいに妙な質問をする。
『行方不明になってないか?』
そんな事普通起きる事ないと思うんだけど、如何してそんなこと聞いて来るんだろう?
けど、どちらにしても変な事は起きてないんだから。
「そ、それじゃあ、何かの儀式のぃ――――御子なんかに誰か選ばれてないかい?」
「あ、それなら私です。今年の春先に儀式が有って、私が選ばれました」
「ッッ!!?」
何でも昔からある儀式で一年に一度子供の誰かが選ばれるみたい。
何でも由緒正しき誇り高い儀式で、選ばれた子供には必ず幸運が訪れるみたい。
事実、私が知っている中で、儀式に選ばれた子供の人達は皆都市部にお呼ばれされて、いい学校や就職先に入れたらしい。今は会えなくて寂しいけど、何時の日か立派になっての再会を楽しみにしてるって、今まで選ばれてきた人たちの家族の人達が言ってるのを憶えている。私もお母さんと甘凪の生活を楽にしたいって言う夢があるから、ゲン担ぎみたいで選ばれた時は嬉しかったなぁ。
だけどおかしい。オジサンの顔が見る見るうちに蒼白になって行く。如何したのかな?
「ほ、帆波ちゃん。悪い事は言わない。もう二度と」
『迎えに来たよ帆波ちゃん・・・!』
そこへ、エニノゼカ村の人で村長さんの部下の人がやって来た。
毎回では無いけど、私が今年の御子に選ばれてから迎えに来るようになったんだ。大事な御子様だからとも疑問に思ったら教えてくれたの時はこそばゆかったなぁ。
「っ!?」
「お兄さん。今日もお迎えありがとうございます」
「なんのなんの。じゃあ帰ろうか」
「はい!――――おじさん、今日も見送りありがとうございます」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ああ・・・。気を付けてね」
「はい!」
そう言って、お兄さんと共に村へと帰宅した。
−Interlude−
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