第27話。変人と月の姫。
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って―吐いて―」
「すーはーすーはー」
しばらく深呼吸を繰り返したら落ち着いたようだ。
「とにかくのぉ、ここは危ないから移動しよか。」
「うわー何が起きてるか見えないよ〜」
「はいはい。あまり見てると巻き沿い込んで首とぶでー」
「何それスゴク怖いんだけど!?」
騒ぐねーちゃんを抱きかかえてその場を離脱する。
「とりあえず物騒やし。家まで送るわ。」
「てかなんなのいったい?あっ、人生終わった・・と思ったらスッゴイ綺麗な人に助けられて、ありがとうってお礼を言おうとしたらいきなりバトルし始めるし・・」
「空飛ぶし?」
「そう!すっごく怖かったんだから!!」
「でも楽しそうやったで?」
「・・・・・うん。」
「ねーちゃん絶叫系好きやろ?」
「うん」
どうやら素直な子らしい。
「ここしばらくは夜は出歩かない方がええで?」
「そうなの?」
「おう。ねーちゃんを襲った奴みたいのがもう一匹いるしの。」
「うへー。三咲町って平和な町なのになー」
「しかたあらへんがな。災害みたいなもんや。家でじっとしているのが一番や。」
魔術師の連中ですら通りすぎるのを待ってるぐらいだしな。
「結局アレってなんなの?」
「吸血鬼や。」
「え?」
「吸血鬼や。」
「え?吸血鬼って、美女の血を吸うって奴?」
「おう。ねーちゃん美人やからの。」
「えへへ〜、そんなことないよ〜」
「そうか、そんなことないか。」
「え?」
「理解したわ。」
まぁ、カワイイ娘ではあるがな。美人ではないと思われ。将来はどうなるかわからんがな
「あっ、家ここなんだ。」
「おっ、そうか。基本昼間は比較的安全や。夜は一人でぷらぷら歩くの禁止やで?ちょっとコンビニ行ってくるが、奴らにとっては頂きマンモスや」
「怖いコト平然と言わないで・・・・」
プルプルと震えるねーちゃん。よーしよーしと背中をさすってやる。
「今日はありがとね。」
「おう。」
「あっ、そう言えば。名前聞いてもいい?」
「名前?晋吾や。衛宮晋吾。」
「私は弓塚さつき」
「またの、さっちん」
「さっちんって言わないでよっ!?」
さっちんを家に送った後、先の道に戻ったら誰もいなかった。マジか。
もう夜も日付が変わりそうなので家に帰ることに、念のためにアルの家のベランダに『家に帰ります。探さないでねっ』と書いた手紙を投げ入れておいた。
これで大丈夫。さて、帰りますか。
「先輩。ここどうやるんですか。」
「ここはな、ここをこうこうこうや。」
「・・・・もう少しゆっくりやってくれませんか?」
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