8.爆走のD/助けてゆかりん
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フランとわかれたあとの魔理沙の行動は早かった。翔太郎を引っ張り無理やり紫の所へ案内させられた。
「わかってると思うが、あいつが素直に引き受けてくれるとは思わない方がいいぞ」
「そんなのわかってるんだぜ。でもそれしかもう方法がないんだ」
悲痛な顔を浮かばせながらそのハンドルを握る手は力が入っていた。
「ほら、着いたぜ」
「ここが」
目の前には『八雲牛乳』と書かれた看板、そしてハチロクが停まっていた。
(確かにハチロクだ。でも、本当にこれが?どこからどう見ても普通のGT APEXなんだぜ)
「いらっしゃい。ってあら魔理沙に翔太郎じゃない」
「とりあえず、俺はいつもの」
「魔理沙は?」
「え?あ、ヨーグルトで……(何やってんだ私は)」チガウダロー!
「で、いったいなんの用事できたのかしら?」
「今日は俺じゃなくて魔理沙の用事できたんだ」
少し迷いながらも、魔理沙は真剣な顔で紫を見る。
「私は博麗山で走り屋をやってるんだ。ある時変な噂を聞いたんだけどどんな噂かっていうと。博麗の下りで一番早いのは牛乳屋のハチロクだっていうんだ」
紫は僅かに視線をずらし俺を睨んできた。俺じゃないぞ。俺は少ししか話してないぞ。多分。
「……悪いけど、それは私じゃないわ」
「しらばっくれても無駄だぜ!幻想郷中探しだってハチロクで配達する牛乳屋なんて他にいないんだぜ!」
「はあ、それがそうだとしてどうだって言うの?まさか最速を賭けて勝負しろなんて言わないわよね」
溜め息をつきながら商品を渡してくる。それが店員の態度かよ。悪いのはこっちだけれども。
「そういう訳じゃないんだ。実はこっちにも込み入った事情があって話を聞いてもらえないか?客いないし暇だろ?」
「随分とズバッと言うわね」
「こっちも必死なんだ」
少女説明中。
「なるほどねぇ。紅魔の連中は昔から巧いやつが多かったわね。まあ、気持ちも分からなくはないけど。断るわ。私は引退した身よ。場違いもいいところだわ。それは現役のあなたたちの問題よ」
「ならせめて、博麗の下りの攻め方を教えてくれないか?」
「せっかくだけどそれも無理な注文ね。ドラテクってのは二、三日でどうこうできるものじゃないわ。トコトン走り込むしかないわ。私が現役の時は夢の中でさえも博麗を攻めてたわ。寝ても覚めても走りのことを考えたわ。それでちょっとでも思いつけば試しにいくのよ。常識じゃ考えられない素っ頓狂なことも試したわね。十個考えたアイデアのうち九個は使い物にならなかったけれどもそれでも走り続けたわよ。技術ってのはそういうものよ。力になれなくて悪いわね」
ご馳走さん、と片手をあげ挨拶をし店を出る。あるいてる途中魔理沙は後ろを振り向いた。
「私は諦めないからな!私は博麗で育った走り屋だか
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