第十二幕その十一
[8]前話
そしてです、こうも言ったエリカでした。
「じゃあこれからはね」
「祝日の時は」
「起きてね」
「蛍を見るのね」
「そうするわね」
オズマに笑顔で答えました。
「これからは」
「それじゃあね」
「すき焼きも食べて」
さらに言ったエリカでした。
「今夜は楽しむわ」
「そうするのね」
「糸蒟蒻も食べて」
「何かエリカってお肉よりそっちの方が好きなのかな」
ジョージはまた糸蒟蒻を食べだしたエリカに尋ねました。
「ひょっとして」
「実際に好きよ」
「そうなんだ」
「だからさっき言ったでしょ」
「糸蒟蒻がないとだね」
「お肉がないすき焼きと一緒よ」
こちらがないすき焼きもというのです。
「それもね」
「そうなんだね」
「あんたもそう思うでしょ」
エリカはジョージを見て彼に尋ねました。
「すき焼きはね」
「糸蒟蒻もないと」
「そう、すき焼きじゃないって」
「そこまでは思わないかな」
「そうなの」
「僕はね」
こうエリカに答えました。
「そこまではね」
「そうなのね」
「うん、けれど糸蒟蒻もいいね」
ジョージも糸蒟蒻の味自体は否定しませんでした。
「お醤油やお砂糖の味が染み込んでいてね」
「そうよね」
「かなり濃い味にもなっていてね」
「そうそう、その味がいいのよ」
エリカもこう言います。
「私もね」
「それですき焼きには欠かせないっていうんだね」
「そうよ、それに今のすき焼きは」
ここで周りを見回したエリカでした、今もイルミネーションと花火そして蛍達が夜の猫の国とその周りを飾っています。
その全てを見てです、エリカはあらためて言いました。
「場所が場所だけにね」
「いつもよりだね」
「美味しく感じるわ、そしてね」
「そして?」
「これからも何かがあれば」
その時はというのです。
「またこうして国を飾っていきたいわ」
「そう考えているんだね」
「そしてその飾りに相応しい国にね」
こうも言うエリカでした。
「治めていくわよ、仕組みも整えて」
「そうしてだね」
「やっていくわ、じゃあ今はお祝いしましょう」
「君の国がとりあえずの目標に達して」
「そう、そのことをお祝いする為に」
「楽しむんだね」
「今のこの華やかさもご馳走もね」
満面の笑顔で言ったエリカでした、そうしてすき焼きを心から楽しんで食べるのでした。皆もそのすき焼きを食べて満足してでした。夜の猫の国の華やかな様子を見て皆で楽しんでそのうえで気持ちよく寝て翌朝都に戻りました。
オズのエリカ 完
2018・7・11
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