10.魔法学院(別世界)から魔王と魔女がやってきました。
stage1
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レンが回収しに来た、と言うところか。
それよりも、此の世界でもレンは私より下なのか…………まだ一度もレンが上に居たことが無いのだが。
「嗚呼、レン。如何為たの?」
ふむ、声は余り変わっていない様だ。数百回程度だが、異常に声が高かったり、低かったりした時があった。
「"如何為たの?"じゃないですよ! 早く逃げてください!! 侵略者に追い付かれます!!」
まぁ、予想は当たりか。
此の近くに違う世界の私とノアさんが居ないという事は、二人は侵略者側になった可能性がある。その場合、かなり面倒なことになりそうだ。
早くラルとグレースと合流したいところだが、此の状況じゃ無理そうだ。
因みに、私達時の旅人の組織"軍(仮)"は、全員が一つの世界で望みを叶えられなくなった場合、皆が自殺をして、別の世界に飛ぶ。稀に、時の旅人は全員殺された事があるが、その時は生きている者のみが自殺をする。
今日は丁度その日だったのだ。
「はいはい。早く逃げますよ」
取り敢えず返事をして、地面を強く蹴る。それと同時に、身体強化を脚だけに使う。すると、通常の数十倍の距離が一歩で移動できるようになる。此の世界でも能力は鈍っていない様だ。
因みに、能力が全く使えなかったことが四回、能力が半分くらいまで制限されたことが一七一回、能力が八割程しか使えなかったことが一〇五六回ある。能力が変わってしまったりする頻度は、人に因って変わるらしく、キュラルはそれが少なく、逆にグレースは多い。私はほぼ無いと言っても良いくらいだ。
暫く身体強化を使いながら走った事で、レンが置き去り状態になっているかなぁと振り返ると、
「如何為ましたか? 僕の顔に、何か付いてますか?」
後ろに居た。
レンの足下には、氷が広がっていて、此れが魔法かぁと思う。如何やら、レンは魔法を使って移動してきた様だ。
此の世界では、能力が退化した代わりに、魔法が進化したのだろうか。
「否、何でも無い。それより、此処まで来れば――――――」
私が其処まで言ったところで、耳を劈く様な警鐘が、街の中に鳴り響く。一体何の騒ぎだ。
『侵略者が街に現れました。戦闘員は直ちに戦いなさい――――――』
何だ? 侵略者如き、そんなに騒ぐ必要――――――
「炎よ爆ぜろ、広く広く、踊り狂え――――――」
…………此れ、何処かで聞き覚えがある。
レンも足を止め、その詠唱に耳を傾けている。
「炎よ裂けろ、黒く黒く、闇に染まれ――――――」
魔法か…………となると、前の世界?
彼の二人……と言っても、別世界の私の方。
「此の世の全てを吹き飛ばせ、此の世の全て
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