第6章:束の間の期間
第184話「再召喚」
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「まぁ、今はあまり気にする必要はないわ」
?役割を分担しているかそうでないか。方位師の有無はその違いでしかない。
?鈴はそう言って術式の組み立てを続けた。
「鞍馬、そっちはどうかしら?」
「ああ、大丈夫だ。しかし、これ以上は覚えていない」
「式姫は召喚式を覚える必要がなかったものね。後は私がやるわ。術式に綻びがないか確認してておいて」
「分かった」
?そうこうしている内に術式が完成する。
?その術式は非常に細かく組まれており、霊術を今まで使っていた優輝達も見たことがないような術式だった。
「凄い高度な術式……」
「凄まじさで言えば彼に負けるけどね」
細かく編まれた術式は、非常に高度なものに仕上がっていた。
?それこそ、術式の高度さで言えば、大門近くで優輝が使った術式と同等程だ。
?効果の凄まじさで言えば優輝の方が上だが、精密さならこちらが圧倒的だった。
「後は手順を踏めばいいだけ。さあ、始めるからこっちに来て頂戴」
?鈴が優輝を手招きし、優輝は召喚式の傍に立つ。
「霊脈の扱い方は知っているかしら?」
「一応は。召喚に合っているかは知らないが」
「上出来よ。扱うと言っても霊力を汲み取るだけだから問題ないわ」
?簡潔に会話し、手順を踏んでいく。
「手始めに、今言ったように霊脈から霊力を汲み取って、術式に流し込みなさい」
「分かった」
?言われたように優輝は霊脈から霊力を汲み取り、術式に流し込む。
?すると、術式は反応するように一瞬淡く光る。
「っと、忘れてたわ。あの二人に関係するものはあるかしら?触媒にできるものがあれば成功率も上がるわ。……十分確率は高いから意味ないかもしれないけど」
「じゃあ、これだな」
思い出したように言う鈴の言葉に、優輝は懐から短刀を出して置く。
それは、椿が接近された時に使用していた短刀だった。
他は家にあるか、式姫としての二人由来なものなため、この場にはなかった。
「次に霊気を取り込ませるわ。霊脈からの霊力で誘導しなさい」
「………」
鈴に言われた通りに、上手く霊気も術式に取り込まれるように誘導する。
「最後に、型紙を中心において、術式を起動させるのよ。貴方と彼女達の“縁”を頼りに、呼び寄せるように!」
「……ああ……!」
ここが正念場だと、鈴も優輝も声に力が籠る。
椿と葵の型紙が中心に置かれ、術式が光り始める。
霊脈や大気からの霊力だけでなく、優輝自身の霊力も流し込まれる。
優輝の霊力に反応するように、術式の光はさらに強くなっていく。
「―――来い、かやのひめ、薔薇姫……!!」
術式にある円陣の光が僅かに浮かび上がり、激
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