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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
10.魔法学院(別世界)から魔王と魔女がやってきました。
プロローグ
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―――"部分的な身体強化能力"を持つ犯罪者を追っていたのだ。
 だが、こう何者かに殺され、更に街も跡形もなくされては任務も、依頼も完遂できない。

 流石にそれは困るな、と琴葉が言葉を溢す。
 何か手は無いだろうか、と考え始めたときだった。


「――――――オイ、琴葉。まだ仕留めきっていないぞ」
「……あ、ほんとだ。ってあれ? でもあの人、爆心地に居た筈」


 背後から声が聞こえてくる。
 それが男女一人ずつである事を即座に理解すると、琴葉はフードを被り直す。そして、勢い良く振り返って、目を見開いた。

 女の方が、完全に自分と瓜二つで、男の方がノアと瓜二つだったのだ。女の方は、今の自分では無く、いくつか前の、侵略者に因って破壊されつつある世界の自分に。


「…………あはは、前レンの色違い見たばっかだった気が……というか、小さい時の自分を見たばかりな気が…………次は別世界の自分か」ポツリと琴葉が呟く。
「此の世界の私は、相当な馬鹿らしいね」ポツリと"琴葉が"呟く。


「じゃあ初めまして……って、一回ネット上で会ったか。黒華琴葉だ」

 琴葉が何も無いところに手をかざすと、其処に黒い渦が発生する。其処に手を突っ込み、琴葉はいつも身に付けている帽子を取り出す。フランの能力、空間操作だ。
 フードを外して、外套を脱ぐ。下に、何時もの機動性重視の外套を着ていたため、帽子を被って、何時もの格好になる。

「気付いていたのか。まぁ、よい。俺はノアだ」
「私は琴葉」

 二人は制服の様な服を着ている。別世界の学院の制服だろう。


「まぁ、自己紹介は如何でも良いんだ。問題は、君達二人が如何やってこの世界に来たのかだ」此の世界の琴葉は首をかしげながら問う。かなり重要な質問だが、琴葉の顔に真剣さは出ていなかった。だが、実際はとても真剣である。「此の世界には魔法は無い。代わりではないが、"能力"が存在する。空間を超える能力を持つ能力者は世界に三十程しか居ない筈なんだ。私が見てきた別世界にも、空間操作の能力者は殆ど居なかった。だけど、君達は空間を超えて此の世界に来たのだろう? おまけに、魔法が使える。となると、私が未だ知らない世界か、遠い昔に訪れた世界かの二択となる。だが、昔と言っても、三千年前程だが…………というか、抑も感情が薄い私は皆死んだので、遠い昔に訪れた世界と言うのは無い。未だ知らない世界だとしたら、まぁ納得は出来る。魔法が盛んな世界なら、魔法で来たんだーで終わるのだけど、能力で来たとなると話は長くなる。一応聞くけど、君達は魔法で空間を超えたんだね?」

「嗚呼…………ん、琴葉? 興味があるのか?」別世界のノアが、別世界の琴葉へ問う。すると、子供扱いしないで、と琴葉はぴしゃりと言葉を放つ。


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