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真ソードアート・オンライン もう一つの英雄譚
第一部
幕間の物語
似た者同士
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ノン、フィリアといった初めて会うプレイヤーもやってきた。
全員が集まった事で夕飯を食べ始める。俺は他の人とは少し離れて食べていた。アスナが作ったご飯は俺が食べたのと変わらない美味さだ。やはりアキトの言う通りココは別の世界なのか?

「アヤト」
「ん?ああ…….アキトか」
「クラインが探してたよ?……どうしたの?」
「いや、知ってる人が自分の事を知らないって言う状況なのがなんていうか……な」

俺は小さく笑ってみせる。アキトは俺の隣に座って俺の方を向く。

「何となく分かるな。俺も皆んなと会ったのは76層に着いてからだったし、それに最初は皆んなからしたらいい印象じゃなかっただろうしね」

アキトは自嘲気味に笑う。俺は水を少し飲むと、アキトの方に目を向けた。

「アキトは……その、あいつらとどうやって知り合ったんだ?」
「ああ……75層でキリトが死んで、ヒースクリフが居なくなってから攻略組のあれこれが気になってさ、アスナもフィールドボスにNPCの村を襲わせてその間に倒そうって言ってて──────」

俺はアキトのこれまでの出来事の話を静かに聞いていた。攻略組の士気の低下、アキトの不器用な鼓舞についても。今のアキトとは思いもよらないぐらいの態度に驚いた。

「でも今の俺は少し吹っ切れたんだよ。ホロウキリトとの戦いでずっと会いたかった人に会えたんだ」

アキトは目を瞑って上を向く。ずっと会いたかった人……か。

「なんだろうな……」
「何が?」
「実は俺、あんまり出会ったばかり人と話すの得意じゃないのにアヤトとは緊張とかしないんだ」
「そうなのか?」
「うん。クラインが言ってたアヤトとは何処と無く雰囲気が似ているからかな。……なんて」

アキトは少し照れくさそうに頬をかきながら俺に笑いかける。俺は少し驚いたが、アキトに微笑み返した。
俺は76層に来て初めて心の底からの笑顔だった。
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