猫娘と神野区異変編
NO.085 出久救出に向けて生徒達は…。
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だが他の面々が一応は病院だから静かにと宥める。
「飯田や皆が正しいってのは分かってんだよ! だけど、なぁ爆豪!! まだ手は届くんだよ!!」
「切島、てめぇ……」
そう言って手を爆豪に差し出す切島。
爆豪はそれで気持ちが少しだが落ち着いてきた。
切島が余計に騒いでくれたことで鎮静化したとも言うが。
「……俺と切島は行くつもりだ。緑谷の個性を考えれば絶対に殺されることもねぇと思うが、それでも何が起こるかわかったもんじゃねー」
切島の言葉を引き継いで轟がそう言う。
だが、それでも飯田には到底我慢できなかったために、
「ふざけるのも大概にしたまえ!!」
「まぁ待て。落ち着け」
障子が手を出して仲裁に入る。
「切島の何もできなかったという思いも、轟の目の前で緑谷を奪われた気持ちも分からなくない。俺だって当然悔しいさ。飯田も反対はしているがもちろん悔しいだろう……。だが、感情的になって動いていい話じゃない」
それで一応は病室内は静かになった。
それから保守的な考えの者や、戦闘許可も解除されている旨も含めて冷静になろうという話で纏まっていく。
なにより蛙吹の言葉が一番全員の胸に響いたことであろう。
「みんな、出久ちゃんが攫われてショックだってのは分かるわ。でも、冷静に考えてちょうだい。どれ程正当な感情であろうともまた戦闘行為を行うというのなら―――ルールを破るというのならその行為はヴィランと何ら変わらないものなのよ?」
それで全員が神妙な顔つきになる。
そこに爆豪の診察医が入ってきたので一応全員は退室をしていく。
だが切島は小声で爆豪に話しかける。
「……八百万には昨日、この件は話した。行くなら即行……今晩だ。まだ体調が万全じゃないお前が行けるか分からないが、一番悔しー思いをしているお前だからこそ誘ってんだ。考えといてくれ……今晩、病院前で待つ」
「…………」
そう言われて爆豪は無言で考えていた。
さらには飯田とお茶子にもその言葉が聞かれていたのは致命的だっただろう。
……―――その夜の事。
切島と轟が来てくれることを祈って病院の外で待っていた。
そして現れる八百万と、爆豪。
「爆豪……」
「勘違いすんな……俺は勝ち目があるから協力するだけだ」
「ああ、それでいい」
「八百万は……?」
「私は―――……」
八百万が何かを言う前に、
「待ちたまえ……」
「待って……」
そこに響く二人の声。
その場には飯田とお茶子の姿があった。
「轟君……なんでよりにもよって君なんだ? 俺の私的暴走を緑谷君とともに咎めてくれた……ともに特赦を受けたはずの君が……! なんで俺と同じ過ちを犯そうと
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